『遠い夜明けー何の力もないのに、こんなこと知ってどうすればいいの?』
■歴史の転生ものといえば、主人公が未来の歴史知識チートで、のし上がり、歴史を改変していく。
しかし、本作の転生者は、力無き庶民ゆえに未来を知っていても、世の中に影響力がないことを自覚している物語の狂言回しである。
本作の主人公は歴史上の人物達(複数形です)であって、転生者ではない。
これがタイトルに込められた本作のユニークさです。
■主人公である歴史上の人物達が、狂言回しのささやかな行動で、あったかもしれない分岐へと進むことを繰り返す。ついには、狂言回しの転生者の意図を超えて幕末の歴史が、地球規模で変わっていく。
そして狂言回しであったはずの転生者自身が、歴史上の人物たちと同じように、動かざる得なくなって狂言回しで無くなってしまう。そして・・
■幕末歴史改変の傑作です。
■最終章では転生者の謎解きが始る。