レビューした作品一覧全6件
物語はロードムービー展開から、男性主人公3人の視点が目まぐるしく切替る群像劇となり、バトルを主体にテンポ良く語られます。一見接点がないながら、同じく人間を超越した強さと特殊能力に悩む主人公達。各々ヒロインの協力を得て謎に迫り、或る組織と最強の敵との戦いに突入していきます。 熱血男と健気少女の格闘系組、強い社長と最強秘書の知力系組、クール格闘家と明るいセクシー美女組――。という魅力的キャラの主人公男女3組は、読者を飽きさせません。 アメリカンながら哲学的、人類の遺伝子の起源・進化に問う壮大なる物語背景は、古豪のSF書籍群を彷彿させます。文章もハードボイルド風ながら情景と心理描写を自然に織り交ぜ、心地よい流れで魅せられます。 やや読み手は選ぶものの、初手数話の魅力に気づけば読む手は止まらなくなるはずです。 プロかと見紛う超美麗イラストも描かれてます。挿絵を見るのも大きな楽しみです!
レビュー作品 birth D verse
作品情報
国家間の争いが激しさを増す異世界。 兵器として機械の身体と純粋なる人間の心を持って生まれた、美しい少女の苦悩と葛藤・人間関係・戦いが描かれるダークファンタジーです。 何よりも、人ならざる少女フェイヴァを巡る、人々との冷徹ながらもときに暖かな心の交流、濁流のごとき運命に翻弄される展開が読み手を惹きつけます。卓越した心理描写ゆえ、学園ドラマを中心とした登場人物達への感情移入度合いは驚くべきものです。 またドラマに劣らぬ、ファンタジー要素と機械技術の融合した独特の世界観と壮大な背景・神話・伝承の物語。徐々に明らかになる謎は深く読み応えがあります。そして各人物の衝撃の秘密……に加え、戦闘描写も迫力を増し手に汗をにぎります。 本当に、読む手が止まらなくなる名作です。一ファンとして、なろうで小説を読む方全てに一度は扉を開いて欲しいと切に願う作品です。ぜひともご一読のほど。
本作のまず特筆すべきは、その特異な世界設定です。 オカルト感に満ちた現代風の舞台でありながらの、レムリアという異大陸や異能力などパラレルワールド的異世界。非常に設定の難しい世界観をうまく構築されていて、個性豊かで濃い目のキャラクター達の趨勢や運命、バトルを楽しむことができます。 最初は頼りなげな主人公の杏助が成長し、物語の中心として活躍し物語を締めていくところは、話数を追っていくごとに楽しめます。 終盤に向けて右肩上がりに盛り上がっていくバトルは見応え充分で、ボスキャラの登場から最後までの絶対感は特に見ものです。 作者様ご本人が彩色豊かな挿絵を手掛けられており、個性的で耽美な美男子、美女揃いのキャラ達のビジュアルも魅力的です。 陰陽師系のオカルト、そしてバトル物が好きな方には自信をもって薦められる一作です!
舞台は異世界ラース大陸、ファンタジーながら中世中央アジア風の独特テイスト。欧米風に比べ資料も少ない中――。緻密な国家体制・世俗風習、歴史に連なる人々の思想まで、見事に完成した世界観を構築されています。 最大の特長は、淡々としながらも悲運の少年・少女の内面を極めて繊細に描いた圧巻の心理描写、男女それぞれの一人称を話ごと入替え書かれた独特の文章です。 望まぬ出生、皇帝付暗殺者一族の二人。疑問を抱き、必死に希望を掴もうと運命に抗い、不器用にお互いを大切に思っていく心。それが切ないほど丹念に描かれます。 人格を入替えるなど特異能力を見せたり、超人的強さの彼と彼女が追手と繰り広げるバトルも話を重ねるごとに激化し、読み応えがあります。 世界観にマッチした幻想的な挿絵も自ら描かれ、意欲的に更新されています。 過酷な世界の純粋な愛、既知と異なる世界観、そんな物語を求める方にお薦めしたい逸品です。
レビュー作品 狼の仔
作品情報
本作最大の魅力は、心地よいまでのテンポの良さと圧倒的臨場感です。 ヒロイック・ファンタジーとして良い意味で定番の世界・キャラ設定と、舞台をあえて限定した入り込みやすさ。加えて体感情報に特化したシンプルで巧みな一人称文章によって、臨場感を生み出しています。 過酷な運命に放り出されながら成長していくカサンドラ。その過程をクラスでわかりやすく示す手法が秀逸です。 本作の主軸は「復讐」にあるのですが、皮肉にも仇から与えられたある能力が、彼女に力を与えます。それを利用し、非常にバリエーション豊かな人獣の敵との不利な闘いを、知恵と執念で勝ち抜く彼女の闘いは手に汗握ります。 大人の人間ドラマあり、国と国との大局的合戦といった大河要素あり。他にも楽しめる要素が豊富です。 あえてなろうの主流から外れつつも、野心的で心躍るこの物語をぜひお楽しみください!
あなたは海外映像作品がお好き? 映画でも、TVでもいい。そうなら話は早い。本作をぜひ開いてみて! 物語の舞台は、現代のロサンゼルス。 女刑事ローラは連続殺人鬼の事件の最中、人外の強さをもつ絶世の美女と出会う。闇の世界の住人たる女は、ローラを人智を超えた魔の戦いに誘う――という、ホラーローファンタジーです。 極めてテンポ良い展開、歯切れ良いアクション、ウィットに富む会話等、良質なハリウッド映画のまさに文字による映像体験。章ごと敵の異なるオムニバス形式は、謎が徐々に明されるTVシリーズの醍醐味も。 圧巻なのは吸血鬼人外ヒロインの、ずば抜けたバトルヒロインとしての魅力。ミラ・ジョボビッチ、ユマ・サーマン、S・ヨハンソンを思わせるエロ格好良さです。 吸血鬼以外のお馴染みクリーチャーも多く登場、その手が好きな方も垂涎の要素満載。 疾走感があり、とても読みやすい極上の伝奇体験。ぜひハマってみて!