あらすじも序章も、よくある物語のようではある。
科学の発展が人類を追い詰める、追い詰めた本人が時間遡行によって人類を再び救いに行く。
よくある物語というのは、つまり多くの人に支持されてきた物語でもある。
その作品の根幹の魅力が保証されている。
その上で、この作品は面白い。
まず小説家になろうという投稿サイトでの鑑賞にむけた、簡素かつわかりやすい表現で書かれている。
わかりやすい表現で面白いストーリーを組み上げていって、面白くならないはずがないという確信を、わずかな時間で得られる。
一話一話のまとまり・構成も優れている。
絶妙な長さと引きで、次々読み進めてしまう。気付いたらあっという間に進んでいた、という苦痛の伴わない読書が実現できるだけの表現力がある。
どの点を取っても安心して読み進められ、その上で先が気になるだけの魅力を持った作品。