素晴らしいです
なろう小説負の遺産「最強」というタグをここまで嫌悪感なく書ける技量に脱帽しました。
普通の作品なら「俺、五百年修行したから最強だわ」→「俺Tueeeee!」になって嫌悪感に溢れるのですが、山水はその点、仙人に相応しい振る舞い、成熟した精神と五百年の修行に重みと説得力を生んでいます。
もちろんこれは設定の妙であって、この作品の真に素晴らしい点ではありません。
この作品の特筆すべきは“サブキャラの深み”です。
途中ウザキャラになったものの己に足りないものを受け入れ弱さを認め、超人ながら人間的な魅力を多く持つという副主人公とでも言うべきポジションを獲得した祭我。
彼に続き、そして祭我と対照的な魅力を持つトオン。
天才でありながらあくまでも“凡人”という立ち位置が彼がただの「便利屋」であることを超越して尊敬できる人間性を持ったキャラクターであることを印象付けられます。