レビューした作品一覧全2件
『治癒能力』 異世界物の作品においてはよくある、というよりあるのが当然で無ければ死活問題に発展する程に重要な代物。 では、その需要と供給のバランスが著しく需要に偏っているとすればどうだろうか? この作品はそんな治癒能力を使える人材が不足した世界に優れた治癒能力を得て転移する社畜の女性の物語だ。 この作品の良さの一つとして読みやすさがある。 異世界物を書く上でスキルや魔法などの説明は避けては通れぬ道だ。 これが分かりにくかったり長すぎると読みづらさを感じる要因になりかねない。 だが、この作品にそのような煩わしさは一切ない。 説明が分かりやすくすんなり頭に入ってくるので読みやすく作品に集中できるからだ。 気づいたら最新話まで追い付いてしまっていた。 登場人物もとても魅力的だ。 自らの不利益を省みず他者を助ける主人公の優しさ。 精霊の可愛さ。 精霊のあざと可愛さ。 尊い。 バロン欲しい……
ほんわかときどきシリアス
投稿日:2018年2月9日
異世界転生というジャンルは往々にして似た経緯で異世界へと行くことになる。 例えば、居眠り運転のトラックに突っ込まれる。 例えば、誰かを庇いトラックにひかれる。 例えば、トラックに潰される。 トラック多い。 そして、トラックに限らず異世界までの経緯はどうしても被ったり似てしまう傾向にある。 だからこそ、作品の個性を出すためには『キャラの設定』や『作品が持つ独自の雰囲気』というものが重要になるのではないか? その点でこの作品は突出している。 まず、主人公のスキルの設定。 この作品を読む方の楽しみを奪わない為に明言するのは避けるが、状況次第で矛にも盾にもなり、使い方を考えさせられる。 そして、この作品の最大の魅力だと私個人が考えるのが『ほんわかとした作品の雰囲気』だ。 もうほんとほんわか。 これがあるからこそシリアス展開がより一層深まりこの作品に引き込まれる。 素晴らしい作品だ。