レビューした作品一覧全9件
ハイレベルなクオリティー
投稿日:2017年12月27日 改稿日:2017年12月27日
穏やかな文面から始まってほどなく予想もつかない展開を見せます。十分に考え抜かれた物語の構造に加えて、クオリティーの高い描写が続き、非常に安定感というか安心感をもって読み進めていけます。人物たちも個性豊かでうまく描き分けられており、物語の説得力を増すのに重要な役割を果たしていると感じました。ご自分で中身を確認するためにもぜひご一読あれ。
ここに自由への挑戦を刮目せよ!
投稿日:2017年12月27日
この作品を一言で言うとフリーダム!という言葉によって集約されると思います。 それは表現の上でも展開の上でも当てはまります。 文体なんてなんのそのと言わんばかりの表現、テンプレとは壊すためにあると言わんばかりほ予想を裏切る展開。こういったことは非常にエネルギーのいることです。まるで固体や液体がエネルギーを加えられると原子や分子の運動が激しくなり、相互の引力を無視して気体としてふるまうのに似ていると思いました。 表現はここまで自由であってもいいのです!
奇抜な設定とコミカルな文章
投稿日:2017年12月7日
まず、村人という職業から連想できるものはなにか。 ファンタジーであるならば最弱!だろう。 その最弱候補ナンバーワンたる村人がいきなり勇者として選ばれ、魔王を倒せという無茶ぶりを言い渡させる理不尽な展開から物語はスタートする。 鍬をもって戦うTHE村人! 物語は主人公視点の一人称で語られるが、非常にテンポがよい。 またなんともいえない投げやりな感じが主人公の本音として出ている。 それが功を奏して文章そのものの面白さを生んでいるように思う。 完結しており奇抜な設定に少しでも興味をひかれるのなら、ぜひ読んでいただきたい。
レビュー作品 非公開中
作品情報
真に迫る心理描写
投稿日:2017年12月6日
この作品は好みがわかれるかもしれません。メインキャラクター二人はいわゆる自殺願望があるのです。しかしながら、二人のやり取りは暗いというよりは自虐的ではあっても自然でどこか軽快ですらあります。そして、自殺願望のある人の本質的な心理描写がそこに表れているようです。ある意味タブー視されるテーマではありますが、非常に重く深く難しいテーマをここまで料理できていることにとても驚かされます。少しでも興味をもった方は読んでみてください。
自分が異性に生まれ変わったならどうなるでしょう?僕は男なので主人公に重ねて読んでいきました。男だった自分がその意識を保ったまま、女に生まれ変わったときに考えるだろうことを追体験しつつ楽しむことができます。また、異世界転生ものながら、勇者になったり魔王になったり冒険者になるといった展開ではなく、ヨーロッパ風の世界で社会的ステータスの高い家にうまれた設定になっているところがこの作品の売りでしょう。魔物や魔法も登場しますが、ありふれた異世界転生ものとは違う雰囲気を味わえます。よくある異世界転生ものがちょっと飽きてきたと思う人にはオススメです!
ここまで情けない魔王の姿をいまだかつて見たことはあるだろうか。普通、魔王は勇者と戦って敗れるのが宿命なのだが、それを命からがら逃げだすという展開は他に類を見ないだろう。最後の魔力を使って、焚き火を起こす魔王。魔力がつきて追い剥ぎ3人に自らの最後を覚悟する魔王。そんなところをケモミミつきの獣人族に助けられる魔王。どうしようもなくカッコ悪い。情けない。でも、同時にそんな魔王のこれからが気になってしまう! 魔王のイメージを根底から覆す挑戦的な作品の今後が気になって仕方がない!
異世界転移ものとしては異色
投稿日:2017年12月4日
異世界転移ものは今非常に流行っているが、西洋風の某RPGに似た世界に転移するといった、わりと同じような世界観のものが多い。こういったものにはもう飽きてしまったという人には本作がぴったりである。本作の世界観はオリジナリティーに満ちており、異世界転移ものの中で新しいジャンルを切り開こうという意気込みすら感じさせる。ネタバレになるので詳しくは話せないが、主人公もヒロインもそれぞれがそれぞれのポジションに必然的につく設定になっている。旅の目的もはっきりしているが、最終的にどうなるのか非常に惹かれるものがある。とにかく読んで独特な世界観を味わってほしい。
人生をやり直したいと思うような大きな後悔がある人は多いのではないでしょうか?だからこそ異世界転生を含む転生ものが流行っています。 そういう人はこれを読むと共感できることがたくさんあると思います。 転生ものとしては、かなりユニークな設定です。 文章表現はとても平易で読みやすいです。さらに先の展開も気になることもあいまって、どんどん読み進めることができるでしょう。物語の先になにが待っているのかあなたの目で直接確かめてください。
レビュー作品 蒼のAGAIN
作品情報
本作品は文章も非常に読みやすいとは言い難く、最初はややとっつきにくいことは認めざるを得ない。しかしながら、あらすじを読んだだけでも異色の世界観が構成されていることがなんとなく感じられる。読み進めていくと、微細かつ濃密な描写が続き、読み手をその世界観の中に導いてくれる。ごまかしなく徹底した描写にこだわるがゆえにかえって難解に感じるところもあるかもしれないが、緻密な設定が背後にあるからこそここまで描写できるのだろうと思われる。また、序盤から超人的な能力を持つ主人公優城やカインの登場でここからさらなる展開は物語のスケールがとてつもなく壮大であることを示唆するものだろう。もう1人の主人公阿羅牙はまだ登場するところまで物語は紡がれてはいないが、超常の力を持つ主人公2人が活躍すれば今後極めて面白い作品になることが期待できる。