作品の中心にいるのは、『稀代の女傑』婦好と『書記の巫女』サク。
『文字』という、現代では当たり前に誰もが使用しているものに『神聖性』を持たせた今作品。
主にサク視点で話が進むので、サクの心情が細やかに、そして丁寧に描写されています。
女性ばかりの軍の中で、女性の強さ、弱さ、厭らしさ、そして温かさなどが余すところなく描かれています。
古代殷の時代についてのお話なので難しいのでは? と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
言葉選びが秀逸ですので、どなたでも分かりやすく読み進めることができますので、あっという間に彼女達の持つ魅力、作者様の表現力の虜になるでしょう。
『強い女性』という言葉が似合う婦好と、『か弱い少女』という言葉が似合うサク。
婦好や巫女軍の女性たちの為に奮闘するサクに注目してください。
そして、彼女たちの行く末を見守りましょう。