レビューした作品一覧全3件
この物語の主人公、真十郎は、行き倒れていたところを美しい少女アンナに救われます。 そして彼女の危機のために立ち上がり、と話は進んでいくのですが……。 彼の戦いには、派手な立ち回りも、リーダー的な明るさもありません。 なにせ普段から無口。たまに発する言葉にやたら破壊力はありますが、寡黙な男です。 狩人である彼は、身をひそめ背後から襲うことを得意とする……つまり暗殺者です。 今どきのファンタジーではないかもしれない。 でもかっこいいんだ、これが! 重厚な筆致で語られる彼の戦いは、読んでいるこちらも思わず息をひそめてしまいます。 けれど彼なら絶対に成し遂げてくれる、その安心感が読み進めることの後押しもしてくれます。 そしてついに、第五章、最終章に突入しました。 もう書き終えておられるそうです。 この機会に読み始めてはいかがでしょうか。きっと「次へ」をクリックする手が止まらなくなりますよ。
「私には愛する人がいる。だからお前を愛する事はない」 政略により望まない結婚を強いられたアランは、花嫁に向かってそう言い放ちます。 普通ならば落ち込むか、仕方ないと腹を括るか、もしくは開き直るか、そんな反応を読者としては想像しますが、このお話のヒロイン、ショコラはこう思うのです。 『ショコラは決して、蔑ろにして良い存在ではない』 その通り、ショコラは美しく、聡く、私たちは彼女に魅了されていくでしょう。 ちょっぴり(?)歪んだ愛し方をするショコラ。 アランがあまりに純真なため、読者としては少々心配になってしまいます。 しかし最後の最後、読者は知るのです。 アランは決して愛されるだけの男ではなかったと。 ショコラという女性を一番理解していたのは彼だったかもしれません。 果たしてショコラは、聖女か、悪女か。 その答えは読者しか知ることはできないし、読者しか決めることもできないのです。
剣と魔法の王道ファンタジーに飢えている方へ
投稿日:2019年6月29日 改稿日:2019年6月29日
この物語は、東の大国「紗里真」の王女、飛那姫の平和な日常からスタートします。 しかしその平和もたった一日で崩れ去り、生き残った飛那姫は復讐を胸に誓い、紗里真を去るのです。 飛那姫は王女時代から「世界最強の剣士になる」とのたまう残念美少女。 彼女が扱う剣は、魔法剣「神楽」。けれど彼女、普段はこの剣を帯刀していません。 「神楽」は戦うとき、彼女の手の中に顕現するのです。 ロマン! 超ロマン! これぞ聖剣! 彼女の長い旅の相棒は、美威。優れた魔法士です。 女二人で流れの傭兵稼業。 ロマン! 超ロマン! 流れの傭兵ってのがもう! この作品を読まれた方は、長い長い彼女たちの旅を追う内、「剣と魔法の王道サイコー!」となってしまうでしょう。 78万字超えのこの大作、読み始めるには少し躊躇してしまう? そうですね。次へ、をクリックする手が止まらなくなりますので、週末まとめ読みなどいかがでしょうか。
レビュー作品 没落の王女
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