精霊が身に宿るのが普通の大正浪漫風な世界にて、主人公は一切の精霊を宿しませんでした。しかもその生まれが最悪なことに、強力な精霊を宿すはずの華族でした。終いには放逐の憂き目を見ることになりますが、精霊を持たなかったのには理由があって……。
正直、導入はありきたりな復讐モノ、ざまあ系そのものです。ステレオタイプとしてのこの手の作品はあまり好みではないのですが、骨太な世界観がそれを補って余りあるほど良い! やや癖のある文体も世界観を形造る重要な要素です。
また、主人公はヘタに癇癪を起こすでもなく割と理性的なタイプであるため、必要以上に悪感情を刺激されることもなく、比較的すっきり読めるのも高ポイント!
(そしてこれは余り大きな声では言えないのですが、ヒロイン的ポジションの女の子、永遠の女の子です。ロリコンのみなさん、こっちですよ……)