レビューした作品一覧全72件
令和××年、それは突如として起こった。 人間にも動物にも異能の力が付与され、そこかしこでバトルが発生する『超異能社会』。農場を襲撃するカラス一匹を追い払うことすら命がけだ。 異能だけでなく知能までをも与えられたカラス、BB弾をかわすどころか必殺技までをも繰り出し、主人公を翻弄する。 この戦いの行方は? 異能がもたらしたのは戦意だけなのか? この戦いはまだまだ、氷山の一角にすぎない……。
伯爵家のひとり息子である『リアン』は、ある日父とともに屋敷へとやってきた年下の少女、『オディール』との出会いを果たす。 寡黙で顔色の悪い彼女を、リアンは当初不気味だと感じた。できれば関わりたくないと感じてしまったが、父からの言いつけもあって、しぶしぶ彼女の世話を焼く。 問題だったのは、食事の時だ。 彼女は、リアンが先に食べたものと同じ食事以外、絶対に口にしようとはしなかった。 リアンがサラダを食べれば、彼女もサラダを食べる。スープを飲めばスープを飲む……食事の際に自分をチラチラと盗み見られることが、リアンには不気味でたまらなかったのだ。 その理由を、彼女はこう語った。 『食べていいのか分からない』、と。 自分の意志では食事すらままならない少女は、まるで翼があるのに飛び方を知らない鳥のようだ。 そんな彼女が、自ら羽ばたくまでの物語。 ふたりの行末を、ぜひともあなたの目で見届けてほしい。
GLORIA, DRAGON KNIGHTS !
投稿日:2024年12月12日
魔物による襲撃が頻発する世の中、人々の安全を守る『竜騎士団』という組織があった。 その一員となることを夢見る少女、『ラミッタ』はある日、遠路はるばる買い物に出た帰りに一羽のヒヨコと出会う。彼女はそのヒヨコを『ピッコ』と名づけて可愛がるが……? 心抉られる葛藤と痛みを乗り越え、少女達は竜騎士の志を受け継ぐために明日の扉を開く。 先人達と同じように、ふたりは魔物から人々を守るために日々戦う。そんな彼女達の雄姿もまた、次世代の騎士を夢見る者達に受け継がれゆくのだろう。 栄光あれ、竜騎士達よ!
アカウントを取得すれば、誰でもなろうを始めることができます。しかし、長く続けることは決して簡単ではありませんし、誰にもできるわけではありません。 そのような界隈で、4年もの長きに渡ってご活躍されてきたのがこの御方。 出会いもあれば別れもあり、道は決して平坦ではありませんでした。私にも経験があるので断言できますが、大きな喪失感に苛まれることもあったでしょう。 それでも折れずに今日まで続けて来られたこの御方を、私は心から尊敬します。 今後とも、ご活躍を心よりご祈念申し上げて……。 4周年、おめでとうございます!
かつての友達、『菊池』が地元に帰ってきているという情報を得た主人公、『山本』。 家庭の都合で離れ離れになってしまった菊池。思い返せば、いつも一緒に遊んだ仲だった。夏休みには一緒に自転車で遠出し、真っ黒になるまで日焼けしたものだった。 懐かしさに浸りながら、山本は菊池に連絡してみる。 電話に出てくれた菊池の声がどこか淡々としていたことに一抹の違和感を抱きつつも、居酒屋に行く約束を取り付けた。 そして会った少年。 遠目には全然変わってないように見えた。しかし……!? 『キクチダヨ』。 壊れたようにそう繰り返す『菊池』の姿をした何か。 菊池にはもう二度と会えないということは分かる。しかしそれ以上に、分からないことのほうが多い。 菊池に何が起きたのか? 山本が会った少年は誰だったのか? 誰にも、答えは分からない。
レビュー作品 キクチダヨ
作品情報
古城には化け物が巣食う――。 出逢う者を見境なく、一片の情けもためらいも、良心の呵責もなく餌食とする首無し騎士、『デュラハン』がさまよい歩いている。 ゆえに、古城に近づいてはならない。あの化け物の刃に斬り捨てられ、その身を無残な血染めの肉塊に変じさせたくなければ。 あそこに踏み入ることは、もはや自刃と同義。その噂は国中に知れ渡っていた。 しかし、ある時古城を訪れた姫を、首無し騎士は斬らなかった。 それはなぜか? そして、首無し騎士の背景にある物語とは。 噂のベールに覆い隠された真実、あなたはそれを知るひとりとなる――。
この作品に、挿絵はありません。 しかし読み始めてまもなく、哀感漂う風景が浮かび上がりました。 それは灰色に染まった空と、そこから落ちる雨粒。 垂直に打ちつけていた雨も、風が吹けば斜めに落ちる。 そして雨が上がれば、再び太陽が照らしてくれる。 この街も、そしてあなたの心も。 苦しくても諦めないで。雨上がりの明るい空を信じて、歩み続けよう。 そんな前向きな気持ちを湧き上がらせてくれる、不思議にして素敵な一作です。
海の神を崇めるその国には、古より伝承されてきたある『掟』が存在しました。 鱗型の痣を持って生まれた『神女』が、国の政を取り仕切るという掟です。それはいわば、国ひいては民の未来を左右しかねない重要な役割。その大役を、大臣の長女たる『スザナ』はつつがなく勤め、国は安泰しておりました。 しかし彼女が16歳を迎え、『大祭』を翌日に迎えた前夜のこと。 スザナが偽の神女であると告発する者が現れたのです。その者の傍らには、スザナの妹のレンゲ。真なる神女であるとされるレンゲの肩には、たしかに鱗型の痣が……。 スザナは本当に偽の神女なのか? 民衆を謀った大罪人なのか? 一方、レンゲこそが本当に真なる神女であるのか? 真実はぜひ、あなたの目でお見届けください。 自業自得、因果応報、人を呪わば穴二つ。ざまあの金字塔にして、さらにはそれを遥かに突き抜けた奥深さ。必見の一作です!
大切な人が非業の死を遂げる未来――もしもそれが予知できるとするならば、皆さんはどうしますか? きっと、死に物狂いになってでも阻止しようとするでしょう。この物語に登場する『ロベル』も、そうでした。 彼は幼馴染である想い人、『レナ』の死を目の当たりにし、さらに彼自身も侯爵の手で命を断たれます。 しかし、神は彼を見捨ててはいませんでした。レナを救うチャンスを与えられ、送り返されたのです。 彼女を救うために助力する彼ですが、その訴えが彼女に届くことはありません。当然です、未来から来たのはロベルだけで、彼女には以前の記憶などないのですから。 だけどもちろん、ロベルは諦めませんでした。 運命を変えるため、愛する人を救うために奔走する、5年経とうともまったく色褪せない実直な愛の物語。 読了後、きっとあなたはこう驚くことでしょう。 『えっ、1000文字しかなかったの!?』と。
主人公、カケル君はその名前に似合わず、かけっこが大嫌いでした。どうせビリになって、周りから笑われるとわかっていたからです。運動が不得意な方であれば、大いに共感できるのではないでしょうか。事実、私もかけっことかマラソン大会とかは大嫌いでした。 でもでも、そんなカケル君に突然、予期せぬ出会いが。 そうして出会ったのは、私達にとってもっとも身近にいる『相棒』。その相棒に諭され、カケル君は大切なことを学びました。 ラストシーン、再びかけっこに臨むカケル君。 今度はひとりじゃありませんし、彼は体を動かす楽しさを思い出しました。 たとえビリになろうとも、相棒と一緒にゴールにたどり着いた達成感は格別でしょう。 心の1等賞間違いなしです!
昨今、異世界転生はかなりの人気ジャンル。世界観や設定も多岐に渡り、さまざまな冒険譚が送り出されている。 この物語の主人公は、数えるのも馬鹿らしくなるほど異世界転生を繰り返し、エタっていた物語を見事『完結』へと導いてきた少年だ。 この物語を紐解くあなたは、そんな彼の旅路の一節を目にすることとなる。そして彼が経験する『戦い』に『出会い』に引き込まれ、気づけば時間も忘れて読み進めてしまっているだろう。 あれこそ無双! 一騎当千の化身! まずは、完結済みの1章を一気読みすべし!
ドラゴンと聞けば、大きな翼があって、かっこよくて、縦横無尽に空を飛び回る姿を想像するでしょう。 しかし、そのドラゴンはころころまあるいまんまるドラゴン。翼はあるけど、とてもちっちゃいので飛べません。だから移動手段は、短い脚で地面をキックし、転がるのみです。 空飛ぶ他のドラゴンを見上げて、時に羨ましくなることもあります。でも、他のドラゴンには見えない景色が、彼には見ることができるのです。 まんまるなのも、翼がちっちゃいのも、決して恥なんかじゃありません。それは、素敵な個性。 いつか、立派なドラゴンに成長できる時を夢見て。 今日も彼は、ころころころころ。精一杯命を燃やして生きています。
イイズナという動物をご存知でしょうか? イタチ科に属する食肉目最小の動物で、日本では北海道や青森、それに秋田や岩手に分布しております。 写真を見れば、誰もが可愛いと感じるイイズナですが、小さくても肉食動物。見た目からは想像もできないほど、しっかりハンターとしての性質を持ち合わせております。 この物語は、そんなイイズナの姿を持つ妖が、縄の姿を持って現れた邪霊を打ち払ってくださるお話。 下見もせずに選んだ物件、そこには縄まで落ちていて、いわゆる『事故物件』であることは想像に難くありませんでした。不気味さを感じつつ生活を送っていた主人公。彼が呪いに見舞われたその時……!? 命の救い賃は、諭吉さんがひとり。 それでも、このご利益を考えれば安いものでしょう。 現在時刻は、2022年12月31日23時00分 来る2023年に向かって、厄除けにぜひ!
こちらは、なろうにて御名前を広く知れ渡らせる作者様のイラスト集になります。 作者様御自身が、自作のために描いた挿絵に、他の方に贈られたFAもあります。ご覧いただければ、その画力に目を奪われてしまうこと間違いなし。 でもでも、それだけじゃないんです。 この御方が数多くの人々を惹きつける所以、私が思うに、それは挿絵・FA問わず、この御方のイラストから溢れる『愛情』でして。 挿絵を拝見すれば、自らが生み出した作品への愛が感じられますし(ひとつ例を挙げれば、『R04.02.18.【小さな女の子】』が顕著です。『お母様』たる作者様のお優しさ・温かみが溢れております)、FAに関しては、誰かのために素晴らしい作品を描き出すそのご姿勢に、尊敬の念を禁じ得ない限りです。 『真心の美術館』はこちらです。 24時間営業、入館料は一切必要ありません。 どうぞ心ゆくまで、美麗なイラストの数々をご覧くださいませ。
小説を投稿し始めたにも関わらず、誰からも感想が書かれず寂しい気持ちを味わう。 それはきっと、なろうに参入した方の多くが体験することでしょう。かくいう私もそうでした。 ある日……『感想が書かれました』の赤字が。それをクリックした先にあったのは、『おもしろい』というたった五文字の言葉。それが作者様にとっては、まさしく魔法の言葉だったそうです。 あなたの一言が、誰かを救う魔法の言葉となるかもしれない。 たとえ短くとも、誰かの作品を読んで感想を伝えるのはとても有意義であり、尊いこと。 こちらのエッセイから、今一度それを学ばせていただきました。 当エッセイの著者たる作者様に、心よりの感謝と敬意を表したいと思います。
大切な人がそばにいる、尊くて幸せな日々……時にそれは、前触れもなく終わりを迎えてしまうこともあります。 突然訪れた別れを受け入れられず、ただ涙する他ない……この世界には、そのような方が数多くいらっしゃることでしょう。 いつまでも一緒にいられると思っていた、この幸福が永遠に続くと思っていた。そんな中、突然の別れを突き付けられた方の悲しみを、知る術などありましょうか。 所詮は他人事に過ぎないかもしれない。 痛みを理解しようだなんて、おこがましいのかもしれない。 しかし、それでも……『あなたはひとりじゃない』という気持ちを伝えたい。 そんな作者様のお気持ちをありったけ詰め込まれて、この作品は制作されました。 願わくば、作者様のお気持ちがどうか少しでも多くの方に届く一助となれば……。 そう願いを込め、このレビューをしたためた次第です。
レビュー作品 届け、届け!
作品情報
怖い物見たさ、という言葉は誰もが知っている。 恐ろしいと感じることに対して、むしろ興味や好奇心を抱いてしまい……それらに駆り立てられ、覗き見てしまうということだ。 公開すると分かっていても止められないその感情は、時に麻薬のように人の心を支配し、歯止めを失わせてしまうことも……。 この物語は、そんな気持ちが引き寄せてしまった『恐怖の存在』のお話。 怖い物見たさ? 大いに結構。しかし時に恐るべき結果を招くこともあるかも知れないので、あくまで自己責任で……。
彼女には、幼馴染にして想い人たるひとりの男性がいた。 十二歳の頃から始まり、中学生になっても、高校生になっても、ふたりは一緒に花火を見に行った。 胸の中で芽を出した恋の花……その存在に気づくまで、さほどの時間は要しなかった。 日を追うごとにそれは成長し、大きくなり、ついに花開くと思われた。 どんな綺麗な花火でも、花開くのは一瞬限り。時に、人の恋心もまたしかり……。 ヒューマンドラマの書き手として名を馳せる作者様が送る、あまりにも切ない『夏の夜の恋物語』。 是非、見届けてください。
レビュー作品 恋花火
作品情報
仕事から帰ると、妻や息子が出迎えてくれる。どこにでも存在する、ありふれた幸せと日常。 仕事は辛くて、時に逃げ出したくもなるけれど、家族のことを思い浮かべれば『頑張ろう』という気持ちが湧いてくる……そんな男に焦点を当てた物語だ。 しかし、そんな日々はある時突然歪みはじめ、世にも恐ろしい存在が姿を現す。それはさらに、衝撃の真実を招き寄せることに……。 人に成り代わった『人ならざる存在』が、あなたの周りにもいるかも知れない。読了後、思わず疑心暗鬼に駆られてしまうだろう。 ホラー作家として名を馳せる作者様が手掛ける衝撃の一作。 あなたの周りにいる、あなたが大切だと思っている人達……はたして、『本物』ですか?
数多ある楽器の中で、『王様』と称されるピアノ、由来はいくつかある。 音域がとても広く多種多様な演奏が可能で、音色や音量も自由自在。ピアノ単独でオーケストラが可能とすら言われている。 個人的な主観になれど、弾き手によってその演奏は千差万別。ひとつとして同じ調べは存在しない。それはまるで、人それぞれの人生のように。 物語の主人公は、ピアノに人生を捧げたひとりの男性。 しかし、音楽の道は狭き門。納得のいく結果を得られる人間など、ほんの一握り。 誰もが報われるわけではない、納得のいく結果を得られるわけではない。夢半ばで敗れ、涙を飲まなくてはならない人もいる。 それでも、最後に彼に訪れた奇跡は、彼がピアノを弾き続けてきたからこそ。 ピアノが好きな方はもちろん、そうでない人にも幅広くお勧めできる一作である。
前へ 1234 次へ