レビューした作品一覧全3件
 物語の導入は、おどおどした主人公が性格の悪い人物に利用される、という展開のため、序盤は正直言って人を選ぶと思います。  だがしかし、そこでこの物語を読むのを止めるのは本当に勿体ない!  学園物としての青春要素、提示される謎、応援したくなる主人公⋯⋯良さを上げればキリがない。  主人公の性格を含め数々の要素が繋がり、終盤へと収束していく考え抜かれた展開は、作者様の確かな力量を感じさせます。  良い小説特有の「ああ、もうちょっとこの世界に浸りたいのに!」という余韻を残したラスト。  これから読む方の為に、私と同じ失敗をして欲しく無いので言っておきます。 「感想欄見るのは、読み終わった後で」  とにかくオススメです。  
安心して読める良作
投稿日:2019年10月19日
 魔王を倒す為に設立された、勇者を鍛える学園に、魔王自身が潜入する、というお話。  主人公が最強の、学園物。  そこだけ見れば、この作品だけの要素、とは言えないかもしれません。  しかし、この物語の主人公は「自分が他を大きく抜きん出た存在である」ということを「きちんと自覚している」ということと、その上で周囲を変に見下さないという良さがあります。  ただただ「俺凄いでしょ」とか「主人公君凄い!」という(もちろん多少そういうこともありますが)事だけで話が進まないのは良いと思いました。  文章も丁寧で、読みやすいと思います。  話数もそれなりにありますので、週末のお供に是非。
今までも何度か、色々な作品にレビューを書こうと思いましたが、実際に書くのは初めてです。 なぜ、今回は書くのか、それは単純に 「この作品はもっと読まれるべきだ」 と思うからです。 作者様は小説は初めてとの事ですが、普段はゲームシナリオを書いているということで、文章には安定感があり、読みやすいです。 また、大量の書き溜めと最後までのプロット作成済みとのことで、いわゆる「エタる」心配はないのも安心感に繋がります。 物語は「上界」と「下界」が存在し、そこを往復しながら世界の謎に迫る、といった冒険譚。 まさにRPGの王道を彷彿とさせる、真っ直ぐなストーリーでありながら、多彩なイベントが用意されています。 次々と事件が! という作品ではないので、序盤は多少物足りないかもしれませんが、逆に序盤のアイデア勝負! という作品ではないので、じっくり長く付き合える作品をお探しの方にオススメです。