レビューした作品一覧全10件
予想を裏切り、期待に応える作品。
投稿日:2021年10月17日 改稿日:2021年10月17日
読者は多くの場合、タイトルやあらすじを基に、展開に予想と期待を用意してから読み始めます。 予想は「どうせ」、期待は「きっと」の枕詞が添えられるわけですが、この作品ではタイトルとあらすじから予想出来る「どうせ」はことごとく裏切られ、「きっと」にはしっかりと応えてもらえます。 ギャグメインの作品かと思えば、ホラーもしっかりしています。文章だけで緊張と緩和を使いこなす、大変優れた作品です。
やや古風で難しめの言葉を使いながらも、圧倒的なリズム感ですいすいと内容が理解できます。 更に特筆すべきは、異世界転移による価値観の相違を丁寧に描写している点。 昨今の異世界転生/転移作品は、主人公がゲーマーやラノベオタクであらかじめ異世界知識を持った状態で始まる場合が多いです。 これは良い意味では読者を取り込みやすくするため、悪い意味では作者の筆力不足のために行われる手法です。 しかし、本作の主人公はファンタジーの前知識が無い状態で異世界へとやってきます。 「ゴブリン」などの定番のモンスターを知らない主人公の目線で、我々読者がゴブリンがどんな存在なのかを理解できるよう、主人公自身の言葉で説明が成される場面には感嘆しました。 展開になろうテンプレを取り入れつつ、作者さんの素晴らしいセンスでオリジナリティを確立している作品です。是非ご覧ください。
まずアイディアが素晴らしいです。 次にセンスがとんでもないです。 最後にテンポが半端ないです。 内容をざっくり言うと、ギャグマンガ日和のソードマスターヤマト大長編。 公務員たちが公務員ならではの苦悩を抱えながら、未完作品をあの手この手で完結へと導きます。 多くは語りません。一度読み始めたら止まらない。いや、作者さんのセンスに嫉妬して、読むのを止めたくなるなるかもしれない。 そんな作品です。
レビュー作品 物語終了課
作品情報
一人称小説の書き手さんに特におすすめです。
投稿日:2019年3月4日 改稿日:2019年3月4日
 私が思うこの作品の最大の魅力は地の文にあります。基本的に主人公の語りは冷静で、状況や他キャラの印象が読者としての私たちの頭の中にスムーズに入ってきます。  しかし、ここぞという時に現れる「熱さ」というか「深み」というか。そういったものによって私たちは、いつの間にか物語の登場人物の一人として、この作品の中に引き込まれているのです。  常に主人公に感情移入できる作品、物語の世界にどっぷりと浸かれる作品ではありませんが、「読んでいる私」と「登場人物と化した私」という立場を慌ただしく行き来するという不思議な感覚を味わえる作品です。  私も一人称の小説を書いていますが、「こういう書き方があるのか」と大変勉強になりました。  是非ご一読ください。
スコッパーさん、こっちです。
投稿日:2019年2月10日
まずはキャラが良いです。 それぞれのバックグラウンドがしっかりと描かれていて、設定も巧みな文章ですんなりと入ってきます。 次に会話のテンポ。他作品のレビューでも書いたことがあるのですが、読みやすい文章とは即ちリズムの良い文章です。 作者様は小説を書くにあたって、抜群のリズム感を持っていらっしゃいます。読んでいて非常に心地の良い作品です。 皆様是非御一読ください。
ジャンルから作品を選んでいるあなたに
投稿日:2019年1月20日 改稿日:2019年1月20日
皆さん、SFというジャンルについてどのようなイメージを抱かれますか? 文章が難しい、設定が細かい、読んでいて疲れる……あまり良いイメージがないという方もいらっしゃるのではないでしょうか? この作品は、そういったSFジャンルへのマイナスイメージを払拭する内容となっております。 1話あたりの文字数は多いですが、これはページ切り替えの手間も少なく、読み応えもあるということですので、読者さんによっては好む方もいらっしゃるでしょう。 是非御一読ください。
稀に見る本格派ファンタジー
投稿日:2019年1月15日
レビュータイトルの通りです。 少し重めのファンタジーに触れたいという方にオススメです。 地の文の書き方が丁寧で、展開運びも実にテンポが良いです。設定は複雑ですが、まとめたものがあるのでそちらも見ながら、「読む」というよりは「読み解く」という表現が適切な作品となっております。 Web小説の特徴であり特長でもある手軽さというものはあまり感じられませんが、休日などの時間がある時にじっくりと「読み解き」たい作品です。
何故文章評価点は5点までなのか
投稿日:2019年1月14日
まずは一言…… 「どうしてなろうでは文章評価に5ptまでしかつけられないのでしょうか?」 SNSで「いいね」を複数回押したくなるあの現象とよく似ています。 作品全体に流れるミステリアスな雰囲気、かと思いきや突然現れるコミカルな台詞とのギャップ、まさに文を用いて芸を披露しているような作品です。 好きな人はきっと1話冒頭を読んだ瞬間「あ、好き。」となります。私がそうでした。 是非ご一読ください。
転生物の新しい領域
投稿日:2019年1月13日 改稿日:2019年1月14日
転生する人間、転生の仕方など、斬新な設定で次々と良い意味で読者を裏切る意外性が売りの作品です。 文章がやや読みづらい箇所も散見されますが、各登場人物の背景や心理描写が丁寧に描かれており、物語の世界に入り込んでいくことができます。 難解な設定などもなく読みやすいので、ファンタジー初心者の方にもおすすめです。
賭博がテーマとなっているが、ここで敬遠している人は勿体ないことをしているので是非初めの数話だけでも読んでみて欲しい。 賭博モノを文章のみで表現するのが難しいことは、ものを書いている人ならば分かっていると思う。 この作品ではそんな賭博モノが軽快な調子で非常に読みやすく書かれており、まるで既に映像化しているかのような臨場感を得ることが出来る。