──世界は悪意に満ちている。
主人公の蔵人はこの物語において多くの悪意に、その理不尽に、身体を、心を幾度となく傷つけられることになりますにゃ。
悪意によって、手にする筈だった力を奪われ、
悪意によって理不尽に晒され、
悪意によって棲みかを追われ、
悪意によって謂われもない中傷を受け、
悪意によって幸せを踏みにじられ、殺されかけた。
それでも尚、悪意は彼を嗤い続ける。
蔵人は誰も信用できない。悪意が彼を殺そうとするなら、彼も悪意を殺す。生きるためにはどんな手段だろうと使う。力のない彼にはそうする他ないのですにゃ。
しかしそれを周りは許しはしない。殺さねば殺される、だが生かさねば恨まれる。命知らずの大衆によって。そして理不尽に彼を殺す。絶対許さないマンですにゃ。
世界は悪意に満ちている。だからこそ彼は抗う。生き抜くために、奪われないために。抗う男の物語ですにゃ。