ヒロインとの衝撃的な出逢いに、ドタバタ系ラブコメかしら〜？　なんて呑気に読んでいたら、神話から歴史までしっかり作り込まれた物語世界の深さにどっぷりハマっておりました。 最初は何を考えているのかわからず、ちょっと怖そうなヒロインモニカですが、彼女の目的や抱えた思いがわかってくると、拗らせの可愛いさにもだもださせられました。お互い素直じゃなくて、近くて遠い二人の距離感が絶妙で、恋愛になってほしいような、そのままでいてほしいような……。 終盤の怒涛の展開の中で育まれた思いは、恋愛と名付けるにはもったいない熱さで、どうなるんだろうと読む手が止まりませんでした。 二人の出逢いは運命だったのか、それとも選び取った答えの先にあった必然だったのか。その答えがわかった時、もう一度最初から読みたくなるはず。 読み終わった頃には、あなたのハートも奪われているかも……？

ある日突然美貌の青年から「僕の呪いを解いていただけませんか」なんて言われたら。 ナンパかな？　高級な壺とか絵を買わされるのかな？　と身構えてしまいますが、彼、エドウィンのその願いは、とても切実で危険を伴うものでした。 不穏な世界情勢、不気味な精霊達、精霊術師を異端視する教会勢力。主人公オーレリアを取り巻く世界は、暗く重い影を纏っています。 しかし、読み進めるうちにオーレリアの持ち前の明るさに照らされて、エドウィン共々ぐいぐいと、彼女の魅力に惹かれていくことでしょう！ オーレリアに甘々のエドウィンと、都会の男()に翻弄されて戸惑うオーレリアにも大注目です！ そんな焦れ焦れの二人の仲を見守りつつ、肉球ぷにぷにモフモフしつつ、影の獣の謎を追う旅に出てみませんか？ ちなみに、筆者の個人的な推しはお師匠様です。