小説を読んでいて目頭が熱くなったのは初めてでした。
この物語は、何も悪いことをしていない魔族が、チート勇者たちによって侵掠を受けているという世界観となっております。勇者たちは、全く面白半分に魔族を殺戮しております。
そんな魔族たちの前に現れた少年の姿とは?
この物語の優れた点は、虐げる者と虐げられる者の視点が丁寧に書かれているところです。
虐げられてきた者たちが、虐げる者たちを見返す物語は、痛快であり、感動的ではありましょう。
しかし、被害者は汚い心を持たない存在ではありません。普通の人と同じように疚しさを抱えております。そして、加害者も人間であるという点では同じです。
その人間心理の描き方がまさに絶妙です。
ぜひとも皆さんご一読ください。