歴史上、暗君と評される君主と名君と賞賛される君主との違いは何なのであろうか?
主人公は、フランス革命前夜を思わせる異世界の王国、サンテネリ王国の若き君主グロワス13世として転生する。
しかし、現代社会で苦悩と諦観故に命を絶った主人公は、転生してもその苦悩と諦観から逃れることは出来なかった。
彼を巡る人々の、そして派閥の利害が絡み合い、国家運営は複雑を極める。
主人公は君主として、それらに向き合わざるを得ない。
確かに主人公は、快刀乱麻を断つがごとき明快さで国を立て直すことは出来ていない。
主人公も、自分の無力感を痛感している。
しかし、彼を優れた王だと思う者も王国には確かに存在するのだ。
一度は命を絶った彼が懸命に生き、そして残そうとしたものの軌跡が、ここにはある。
果たして彼はいかなる評価を下されるべき君主であったのか。
それは、あなた自身がこの物語を読み、判断してもらいたい。