主人公幸村紫苑は省エネ男子。
省エネと言っても、彼の標榜する省エネはけっこう前向き。
後々めんどうくさくなることを嫌って、よく見て、考えて、準備もして、然るべき行動をしています。高校生男子にしてはとても大人びています。
淡白なところはあるものの他人の機微に敏く、冒頭でヒロインに謝罪しに行く素直な心根に、大人目線の私はすぐに「いい子だな」と感心しきりでした。
そんなそつのないデキる高校生の幸村くんですが、きっかけ一つでそれは見事に振り回されていきます。
自分の中に芽生えた新たな感情になすすべもなく七転八倒する幸村くんがめっちゃくちゃに微笑ましいです。
繊細な思春期男子の心境の変化が丁寧に綴られていて、展開が進むほどにのめり込んでいきます。
幸村くんの視線の先にあるものはずっと変わりません。その一途な姿に、もうニヤニヤしっぱなし(笑)
じっくり読めば読むほど面白い青春活劇です!!