一般的に言われるような、怪しげで淫靡で知に長けたイメージの魔女とは、良い意味でも悪い意味でも正反対の主人公。
その婚約者の、これまた冷酷で意地悪いイメージの爬虫類とは正反対のトカゲ紳士。
何処か精神的な幼さも感じる可愛らしい前者と、不器用さと強面に同情すら覚える後者が、徐々に距離を縮めていく様がたまりません。
心踊るような派手さも、ゾクゾクするような華美さもないけれど、だがそれが良い。すんなりと頭に入ってくる読みやすい文章も相まって、読み進める度に、もどかしさにやきもきとさせられます。
心地良い心のさざ波を感じたい方へお勧めしたい作品です。