レビューした作品一覧全24件
お転婆だけれども、気の優しい主人公リベルタ。ある時、カリーナという少女と出会い、ゆっくりと二人の友情を温めていく……という、海外の少年少女文学全集に出てきそうな、まさに王道の展開。 物語全体の雰囲気がとても優しく、穏やかな気持ちで読み進めることができます。 成長してゆくリベルタが、カリーナのために未来をどう選択したのか。 ぜひ、その目で素敵なラストをお楽しみください。
近未来、シンギュラリティポイントは越した時代と思われる頃のよくあるフルダイブVRMMOゲーム。 主人公は、そのサポートAI(女の子)で、一人称で、自分が関わっているゲームに対しての赤裸々な思いがつづられていきます。 不思議なユーザーとの出会い、会話によりゲームの改善を提案するようになるAIの姿が、がいじらしくてかわいいです。 さらりと、現代のオンラインゲームに対する作者さまの思いも垣間見ることが出来て、ガチャやキャラクターのぴらぴらな薄い服の実装に対する批判眼はクスリと笑ってしまいました。 心のある女の子AIの奮闘ものストーリー、楽しんでみませんか?
このエッセイを書かれている作者、美汐さんは、本当に面白いものを書ける稀有な方です。 どの作品を読んでも魅力があるのですが、そんな作家さんの、ここなろうに来た時の衝撃や苦労や、なろうのいいところ・改善点などが、この作品にはぎゅっと詰まっています。 うんうん、あるよねー、と共感することがとても多いです。 作品を書きながらなろうで漂流してしまったときに、救命道具のような存在として、頼りになります。 この作品が最終的に投稿されてからだいぶ経つので、その間になろう運営のヒナプロジェクトさんによる改善で、当時より良くなった部分も。 なろうもなんと15周年、その間に、美汐さんという良い作家さんに出会えた幸運に感謝を!
創作活動をしているとき、どうしても気分が落ち込んで、続きが書けなくなってしまうことがあります。 この作品は、そんないわゆる「エタりかけている」創作者さまにこそ、読んで頂きたいです。 創作というだけでなく、人生にとっても為になる言葉の数々に、いつの間にか、もうすこしだけ頑張ってみようという気持ちにさせてくれます。 最新話の更新日は偶然か、バレンタインデー。 おいしいチョコのようにじんわりと温まる作品でした。 良い言葉の数々を、ありがとうございます。
「オバケでバブルなエリコさん」 タイトル通り、元ボディコンでお立ち台(分からない世代はググってね!)で踊っていた世代の幽霊、エリコさんが小学生のいじめられっ子、オサム君と出会い、いじめる奴への復讐など数々の事件が収束する骨太で爽快なストーリーに加え、いじめっ子にもその心のダークサイドに落ちてしまう理由があることが描かれていて、ただの復讐譚では終わらない物語の深さがあります。 幽霊のエリコさんとオサム君の、心の成長も含めた活躍劇。 面白いので、どうぞ一読を!
言わずと知れた、異世界グルメものの最高峰のひとつ。 最近は小説を起点に、漫画にもアニメにも展開されていて、楽しませて頂いています! アニメは2話までを見たところですが、無料で配信することにより、国内外の視聴者に日本の居酒屋文化を発信し、スポンサーであるぐるなびさんを使ってくれるユーザーを増やす意味においては、アニメの後で実写の料理番組が入るのは斬新なアイディアです。見た後で居酒屋に行きたくなったのでCMとしては成功かと。 アニメ、GYAOの配信で見たのですが再生回数:34,543回となっていて、現在デイリーランキング2位! おめでとうございますー。 漫画の「異世界居酒屋げん」や『異世界居酒屋「のぶ」~エーファのまかないおやつ~』も追いかけてみたら、原作への愛がこもった作品になっていて良かったです。 どんどん広がる異世界居酒屋ワールド、これからも応援しています!
よくこの「小説家になろう」で読書をする主人公。あるとき、自分がモデルになったと思われる小説を読むことになりました。その小説の中では、主人公をモデルにしたヒロインが好きだということが書かれていました。同じクラスの中で、この小説を書いているのは誰なのか? そして気になる恋の行方は? 学校の日常のなかで主人公が頭を働かせる推理ものとしても、純情系の恋愛ものとしても楽しめます。ぜひ一読を!
「100円コーヒー」という、コンビニで買えるコーヒーについて、その裏で一杯のコーヒーが出来るまでの過程が記されています。 最近は100円でもそこそこのコーヒーが飲めるようになり、毎日のように飲んでいるコーヒーが、どのような想いで作られているのか、この作品を読んで、ほろ苦さを感じました。 「100円コーヒー」という何気ない日常の中にある、世界の深みに、ハッとさせられます。ぜひ一読を。
卒業を前に、丹念に日常が描かれます。好きな人に告白をするべきかどうか、そして気になる相手の反応。時に純情、時にスリリングに、卒業までの時間、恋に悩む主人公の心境が200字の短い制限のなかで綴られます。そうして迎えるラストは納得のいく爽やかさで、同年代は共感を、すこし大人になったひとも過去の甘酸っぱい青春時代を思い出すきっかけとなるでしょう。悩みさえもが、恋に関わると美しく思える、おすすめの作品です。
なろうでよく見かける、悲しい出来事。それは、面白い小説が完結の日の目を見ることなく、作者による削除がされてしまうこと。 このことに深く共感しました。そうして、あの時感想を書いていたら、評価ポイントを入れていたら……という思いをしないためにも、積極的になろうのシステムである感想や評価ポイントを使おうと促す流れにはうなずくしかありません。 その感想と評価ポイントで、エタる作者が減るかもしれません。感想を貰えれば、それが誹謗中傷でない限り、創作へのモチベーションとなるのは、私個人の経験からでも、感想や評価を頂くと嬉しいですから間違いは無いです。 気にしないとは思いつつ、どうにも気になる感想と評価、そしてレビュー。この作品を読み、さっそく書いてみましょう。あなたのその優しさが、エタる寸前のひとの心にともし火を与えられるかもしれません。
大切な家族の誰かを死で失ってしまったとき、途方にくれるときがあります。主人公と妹は両親を失ったばかりで、残された定食屋「てしおや」の後を継いだばかりでした。料理は素人レベルの主人公が神さまにお願いしたところ、何やら料理上手な霊たちの手助けをすることになりました。つながってゆく霊たちの大切な家族と主人公たち。出てくる食べ物の描写も見事で、こんなメニューを食べたいなと思わせてくれます。ひとりひとりのキャラクター描写がしっかりしていて、ほろりときたり、笑わせていただいたり。ぜひ一読してみてください。
レビュー作品 神様の定食屋
作品情報
仕事ができて美人な主人公の欠点は、料理が壊滅的だということでした。それが理由で、別れた話のある主人公にお見合いの話が舞い込みます。おいしいご飯が目的でお見合いをした主人公を、好きになってくれた相手が料理上手のワイルド系イケメン! 次第に近づく二人の距離。前彼も現れたりして、果たしてどうなることやら? テンポの良い展開で、いつの間にか物語に引き込まれてゆきます。年末の、つかの間の、のんびりしたお休みに大人の恋の物語はいかがでしょうか。
ホピの伝承を知っていますか?
投稿日:2016年11月16日
異世界ではなく、ホピ族のところに主人公が転移する、というところからお話は始まります。そして、ホピの伝承を紐解きながら、現代への痛烈な戒めとして物語が進みます。主人公の適応力が強く、迎え入れるホピのひとびとも温かく描かれていて、好感が持てました。 神話や伝承が好きな方には、おすすめの作品です。 恐ろしくも啓示に溢れたホピの伝承に、ちょっとだけ触れてみませんか?
モフ好きは必見です!
投稿日:2016年9月21日
いわくありげな毛玉ドラゴンの視線で描かれる、王子さまとのモフモフライフ。 コミカルな文章で、最初から最後まで一気読みさせてくれる勢いがあります。 モフモフ好きなら、作中にんどん出てくる愛くるしい場面に 癒されることでしょう。 語り手である小さな毛玉ドラゴンは、ただのドラゴンでは無いようなのですが、その正体が明らかになり、今後どうなるのかが気になるところでお話は終わります。 秋の夜長にひとつ、楽しいモフ小説をどうぞ。
それは、とある夏休み。
投稿日:2014年11月10日
それは、とある夏休み。末っ子の少女リシアンが、サマーキャンプに行ってしまった兄弟のため、ひとりぼっちの夏休みを過ごさなくても済むようにと、お母さんがいとこの兄妹パルナンとゼルジーを呼ぶところから、物語は始まります。 田舎育ちのリシアンと、都会育ちのゼルジー。共通点は、二人とも空想が大好きなところでした。 優しい、ひとつひとつの言葉を丁寧に推敲された文体から、海外の良作を読んでいるような雰囲気が漂います。 二人の少女の空想力から、どんな世界が飛び出すのか、それは読んでからのお楽しみです。 作者様の他作品「こんな夢を観た」シリーズも、どれを取っても面白いので、この「ゼルジーとリシアン」もこの先が楽しみです。
よくある異世界、よくある勇者、よくある魔王。 小説のキモなのでここで明かすことはできませんが、そこからの発想が斬新で面白く、テンポ良く最後まで読ませてくれます。こんな魔王がいたらゲームの世界はきっと平和でしょう。短編なので、読むのにそれほど長く時間はかかりませんのでぜひ一読を。新春の初笑いにもってこいの作品です。
老子が幼女で登場!
投稿日:2013年12月26日
この小説、「老子」になじみのないユーザーでも楽しめるようになっています。老子が幼女で使い魔がいて、という現代エッセンスてんこ盛りされた作品ですが、老子の考え方がちょっぴり分かるようにもなっています。短編なのでさらりと読みたい方にもおすすめです。老子の思想をここまでアレンジしていても、根底に流れる「老子」は「老子」として読めるのが良いです。
常識を覆す楽しさ。
投稿日:2012年2月6日
はるかな未来、宇宙飛行士が遭遇したものはなんと巨大な金魚だった!? 奇想天外な設定の金魚と、それに対してリアルな反応をする宇宙飛行士との語り合いが面白いです。 常識と思っていたことを、オセロをひっくり返すように覆す爽快感があります。 このストーリーのおかげで、固くなっていた頭がちょっと柔らかくなったような気がしました。
レビュー作品 宇宙金魚
作品情報
すこし大人の為の童話。
投稿日:2011年12月28日
最初は動物が出てくる童話で、可愛らしいうさぎのシンプルなストーリーという印象を受けるのですが、後でじわりと、短いお話の中に自分の本当の姿を探るという深いエッセンスを受け取ることができます。 自分の方向性に迷ったとき、読むとすこし元気になれます。 この方の、ほかの作品も読んでみたくなりました。 ありがとうございます。
心地よい余韻が、さざなみのようにいつまでも残る作品です。 子どものとき、ドラえもんのどこでもドアやタイムマシンのように、どこか別世界に行けるトンネルのようなものに強く憧れたころを思い出させてくれます。 大人になってもその思いをどこか捨てきれずにいる主人公が、かつて遊んだ海辺を訪れ、ひとつひとつ記憶を拾い上げ、今の自分として思いをはせる姿にノスタルジアと共感を覚えます。 それだけに終わらない、成長した大人ならではのこの物語を、どうぞ、ゆっくりとお楽しみください。
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