レビューした作品一覧全36件
終わり方が美しい!
投稿日:2020年8月11日
こちらの短編作品、終わり方が美しすぎて思わず震えてしまいました。 タイトルの回収も見事です。終わりに絡めた構成と表現で、これは間違いなく秀作と言えるでしょう。 魔法が使えない少年と魔法使いの老人。 登場するのはこの二人の人物だけなのに、それを感じさせない十分作り込まれた世界観、そして美しい情景描写。読んでいけばショートムービーを見るように景色が浮かんできます。 感動に飢えた方々、こちらの短編で是非堪能してみてはいかがでしょう!
こちらの作品は飯テロ……いえ菓子テロです! これを読んだら絶対にタルトとかパイが食べたくなります。空腹時に読むのはお勧めします! 登場人物の名前もお菓子、果ては描写にもお菓子にちなんだ表現が散りばめられている。全てが美味しそう。 これは最早食べさせに来ている勢いですね。 読んでるとこう思います。作中に登場するお菓子が食べたい、食べたい、と。 でも大丈夫です。 本作は製菓の行程も材料も分量も全部書かれてます。後は言わずとも分かりますね? キッチンへ移動して本作を開こう。 そして、あなたも夢のパティシエールの世界へ!
殺し合うのか、それとも助け合うのか
投稿日:2020年8月3日 改稿日:2020年8月4日
転移物、沢山ありますね。転移して魔王を倒す勇者になってくれ。 よく見る展開、と思います? この作品は最初から「何か」が違います。 まず主人公を連れ去った神様が怪しすぎる。絶対何かあるでしょー! って疑いたくなります。 そしてそんな神様に突きつけられるのは、13人の勇者候補同士で殺し合いをすること、拒否すれば存在が抹消される。 生き残った者が魔王を倒し、望みを叶えることができる。 そして主人公は飛ばされた先で時に苦しみ、時に助け合いながら殺さない別の道を模索していく。 この世界に張られた伏線は幾重にも重なっているので読み応え十分。続きが気になるストーリー展開、そこにダークな雰囲気が相まって満足すること間違いなしです。
こちらの作品、最初の数話を読んであっという間に惹きつけられました。 世界に迫る危機、それを阻止する存在達との出会い。そして手に汗握る異能力バトルの数々。 それらが緻密に描かれているのでとても読みやすい。10話、20話と気が付け読み進めてしまうほど。 本当にどこを開いても楽しめる作品です。 本作の注目ポイントはやはり主人公、章の願いでしょう。 彼の願いは数年前に妹が死んだことを「無かったこと」にすること。 そのために、グリモワールのリリスと共に、迫りくる竜人族との戦いに身を投じていく。 全ては死んだ妹の為に、と戦う章は非常に魅力的に描かれています。まさに主人公と言ったところです。 果たして彼の願いは叶うのか、是非その目で確認して欲しい。
これぞ至高のダークファンタジーです! 大事なことなので、二回言います! この作品は魔女狩りをテーマに、己の望みを叶えるため、魔女達が死力を尽くしていく物語です。 一話むとまずは殺伐とした世界観に一気に引き込まれます。そして読み進めていくほど、丁寧に描かれたキャラ一人一人に魅せられていく。気が付けばこの作品の虜になっていることでしょう。 彼女達の生い立ち、戦う理由は一人一人違う。その中で描かれる群像劇、生き様はまさに圧巻の一言! どこを切り取って読んでも胸が熱くなる展開が目白押しで読む手が止まらない、止められない! 控えめに言って最高の作品です! 皆様も是非ご覧になってください!
レビュー作品 魔女伝
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キャラが生き生きしてる!
投稿日:2020年7月21日
これはすごい作品ですわ! 最初の数話を読んでそう叫びたくなりました。キャラの書き分けが凄く丁寧で、それでいて一人一人生き生きしています。すごいのよ! ジャンルとしてはダークファンタジーなのですが、終始暗い物語ではありません。戦争屋として容赦なく殺戮をしたと思えば、翌日にはのんびりした生活が描写される。しっかりした緩急にハマってしまいました! 伏線もしっかり張られているので読み応えも十分。一度読めば続きが気になって仕方ない! ダークファンタジーに飢えてる方は必読です。ぜひ!
生きることに絶望し自殺しようとした主人公が、転移した異世界で這い上がる物語です。 特に主人公が自暴自棄になっている描写は秀逸です。主人公の心情を深く表せていて読んでいて引き込まれます。 でもただ荒れた作品ではありません。この作品、如何に命が重いかを言及しています。主人公の心情と対比的に描かれているので、よりぐっとくるものがありますね。そして、一度ならずニ度三度と死のうとした主人公が、前を向こうとした理由はかっこいいです。 もう読む手が止まりません。 普通の転移物としては異色な作品ですね。少し違った転移物語を読んでみたい方、這い上がり主人公が好きな方には刺さるでしょう。 ぜひ読んでみてください!
この作品は作者様の愛情が込められていますね。それでいて読みやすく、続きの気になる展開に指が止まりません。 百話以上あるのに一気読みでございますよ。 代償として最新話を要求します! ヒロインの「アミィ」はただのアンドロイドじゃないですね。 人間のような心を持ち、主人の前で揺れ動く表情。それが甘々な空間を作り悶えさせてくれます。そして、純恋愛ものでも難しい葛藤も十分に表現されていて読み応えも十分です。 しかし、それだけではありません。 本来は人間とアンドロイドの主従関係。それ以上の関係は存在しないはずです。それでも愛が生まれるのはどうしてなのか。 この問題を掘り下げて考えているのが伝わってきます。それも丁寧に物語に組み込まれているので、しっかりと感情移入してしまいます。 もうお見事と言う他ありません。 是非とも読んでみてください!
レビュー作品 【旧】アミィ
作品情報
主人公のミントが異世界で色んな人に支えられて成長していく物語です。 見知らぬ世界で右も左も分からない彼女を家に住まわし、助けてくれる老婆。近くの魔物を退治してくれる少年との出会い。街での暮らしを提供してくれるお姉さん。戦い方、生き方を教えてくれる律儀なおじさん。不安な気持ちを支えてくれる彼らに、ミントは心を通わせていく。 それでも出会いがあれば別れはやって来るもの。ミントはいつかは元の世界に戻っていくのです。中盤と終盤に盛り込まれる別れは寂しいと思う反面、心地よく心に響くものがあります。旅立ちは未来への希望。そんなメッセージがこの物語には込められております。 この物語、読了後の満足感は格別です! 是非一気読みしてみて下さい!
女子高生だった女の子が妊娠、出産し数々の困難を乗り越え成長していく。手記のような語りで紡がれるホームドラマです。 ただでさえ子どもを一人で育てるのは大変なこと。そこに高校中退という烙印を貼られた彼女の苦悩は計り知れません。 慣れない育児と仕事に翻弄される日々。 それでも、離れて暮らす両親や心優しい人たちに支えられて、少しずつ親になること、責任を持つことへの自覚が芽生えていく。 そして、生まれてくる我が子を愛し、懸命に生きようとする彼女の姿は純粋に美しい。 この作品の評価に難しい言葉を並べる必要もありません。読めば読むだけ心を満たしてくれます。 生きることは美しい。それを直接語ってくれる素晴らしい作品。 ぜひ、皆様も読んでみてください。
大戦時に敵の殲滅を目的に作られた人型殲滅兵器「魔剣」。その一人である超イケメンのトーリス。彼は戦後、貴族院の計らいによって市井の生活を学ぶべく、聖女エシュニーのもとへと遣わされる。 聖女エシュニーは街の信者たちに神の加護を分け与えていく心優しい主人。彼女の元でトーリスはほのぼのとした生活を送っていく……はずがないのですよ この聖女様は人のいない場所では口が悪いこと悪いこと。三人の使用人も諦めているほど。 しかし、トーリスはそのことは気にも留めない。戦場上がり故に感情の無い彼は世俗にも疎い。真顔で褒めたり、躊躇なく抱きついたりと、無自覚のまま彼女を悶えさせていく。 母性本能をくすぐられていく彼女はどうなってしまうのか。 空いた時間にもさくさく読めてしまいます。ぜひ読んでみてください!
城の掃除娘リアは、図書室にある白猫の絵が好き。仕事の合間に話しかけ、本を眺める時は側にいたりと、彼女の優しさが振りまかれる。 でもその猫は、二百年前に閉じ込められた魔法使いだった。 ある日、古い図書室の解体と共に白猫の絵が処分されそうになる。リアはそれを助けようとし、偶然にも猫の中の魔法使いザックを助けてしまう。 それから魔法使いと同居することになるリアの前に、今度は王子と付き人が現れ、少女の世界が揺れ動いていく。 気になる異性を前に彼女の揺れ動く心情がよく描かれています。 ほんのり甘い世界が作り出されていて、読めば読むほど心惹かれる。さながら、王宮と恋がテーマの映画を見ているような気分です。 物語の構成はお見事としか言いようがありません。ザックの過去と呪いの指輪、それがリアの環境に程よく絡み合い、しっかりと物語に引き込んでくれます。 おすすめです。是非読んでみてください。
犯罪が横行する街で商人をする少年、不知火セルイ。彼は吸血鬼の真祖と呼ばれる存在である。そんな彼はある日、落雷と共に現れた異界の少女騎士シノンと出会う。そして、二人は異界へと戻る手掛かりを探すため行動を共にすることになる。 そして物語が進むに連れて明らかになる真実。その渦中にいる騎士シノンは果たして元いた世界に戻れるのか。騎士と吸血鬼の物語が始まる。 軽い文体なのでシリアスな展開でもするすると読めます。セルイの軽い喋りと、シノンの固めの口調も相まって一気読みできるでしょう。 ですがセルイが本気になるとその口調らガラリと変わります。少年から大人な主人公に早変わり。 その魅力は読者である私たちをしっかり物語に引き込んでくれます。 アクションシーンは、短くもしっかり書かれているので楽しめます。 ファンタジー好きには刺さる作品。是非読んでみてください。
この作品は度肝を抜かれるくらい渋くてかっこいい。そして、生きるとは何なのか読了後も考えさせる。読みごたえ十分な仕上がり。何度も読み返したい作品です。 キャラ一人一人に味があって、まるで一つの映画を観ているような気分を味わえる。それは、荒廃した世界と、それに合わせた陽炎のような文体が為せる技でしょう。さらに、そこで描かれる人の生き死には読者の心を揺さぶってくれます。 ライトな文に飽いた方には堪らない作品ではないでしょうか。ぜひとも読んでみてください!
 いつもと変わらない日常にいたはず。それが突然終末の世界に変わり世界の人間が皆マネキンになっていた。外に出れば人外の者が闊歩する。気が付けばそこは終末の世界だった。  そして、唯一マネキンでなかった幼馴染みには何故か命を狙われ、人外の少女達に助けられる。彼女達は味方か敵か、幼馴染みの目的とは一体何なのか。  この物語は多くの謎に包まれて始まります。そもそも主人公達が何故その世界にいるのか、人外少女は何者なのか。その裏に潜む者の示唆。それが少しずつ明らかにされていくのかと思うと、続きが気になります。  一話一話は短めに書かれているのでサクッと読めます。それでいてストーリーのテンポも展開も面白いので飽きることはないでしょう。 ぜひに読んでみてください。
もう凄いですよ! この作品、ルーマニアの愛が溢れ出ております。実際に現地で見聞きしてこられたかのような表現が所狭しと並べられています。 歴史建造物に始まり、街中のホテルや飲食店。そこで出される郷土料理に至るまで細やかに表現されてます。 それはもうまるで本当にルーマニアに行ったかのような、そんな感覚になれます。 そして凄いのは物語の構成です。一冊の本に詰め込まれた謎を主人公が紐解いていくストーリーです。が、それだけでは終わりません。本を狙う謎の組織だったり、怪しい現地ガイドだったりと、主人公の心休まる瞬間があるのかと言う展開が待っています。 もちろん、物語に引き込まれた私達も同じです。主人公と一緒に行動してる気分になれますから、新たな展開にハラハラドキドキしてしまいます。 ぜひ読んでみてください!
 ダークな物語をお求めの方、こちらをご覧ください。  タイトルに「BLOOD」が付くあたり物騒ですね。  ええ、内容もそれに引けを取らない、むしろ上回る黒さを見せつけてくれます。  一話あたりの文字数が短くサクッと読み進められます。隙間時間に読むのもよし、本腰据えて読むもよし。  ダーク魔法少女はあなたの到来を待っています。  主人公、玖音(くおん)は何処にでもいる普通の中学生。  この物語は車椅子に乗る友達の藤花(とうか)と他愛のない会話から始まる。  その日常の中、彼女達の近くでは魔法少女なる人物が人々を襲っていると噂され始める。  下らない与太話だと思っていた玖音は、ある日の帰り道、黒い魔法少女に襲われる藤花を目の当たりにする。放っておけば藤花は助からない。少女の絶望の前に現れた妖精は魔法少女になって戦えと囁くーー
レビュー作品 魔法少女BLOOD
作品情報
心を知らぬ魔王は愛を知るのか
投稿日:2020年6月25日
蘇った魔王と召喚された異界の人間との百合物語です。ありそうで見かけないパターンでしょう。絡みはソフトな感じなので、初めての百合に挑戦したい方にもお勧めできる作品です。 魔王コアイは世界の道理や善悪の判断、心を持ち合わせていなかた。そんなコアイは人間と魔族の協力によって滅ぼされる。しかし、時を経て蘇った彼女は、異界より呼び出した少女スノウと出会い少しずつ心に変化が訪れる。 コアイは破壊以外に興味はなかったが、スノウと出会ってからは彼女のことが頭から離れなくなり、彼女の為ならと行動をするようになる。 日を重ねるごとにスノウへの思いを募らせる。彼女の心が揺れ動いている様が巧みに表現されていて非常に面白いです。 今日は百合の日ですので、皆様も是非読んでみてはいかがでしょうか
魔王ピィは、前魔王の仇を討つべく、侵略の号令をかけようとする。 そこへ勇者クレイスが魔王討伐にやって来た。それを迎え撃ったピィは、何故か彼に求婚される。しかも祖国を裏切り魔王軍に入ると言う。 戸惑う彼女をよそに、クレイスは軍にあっという間に溶け込んでしまう。 一話を読んだ瞬間に分かる。この勇者、只者ではありません、とね。千枚舌の二つ名に恥じぬ思い切った行動。普通の勇者では見られない戦略性が見て取れる。 魔王ピィに一目惚れした彼の目的とは何なのか。本当に惚れただけなのか。彼の一挙一動は非常に気になるところ。 魔王ピィにはツンデレ要素が感じられる。今のところはツンしか見せないが、時折り見せる少女らしい描写もある。それがいつか勇者にデレてしまうのだろうかと、期待が膨らみます。 まだ序盤ですが、これからの魔王ピィの覇道に、そして勇者との関係は進展するのか、目が離せません。
干物聖女のドタバタ日常は面白い!
投稿日:2020年6月24日 改稿日:2020年7月4日
干物聖女でしかも闇魔法使いとしての適性が高い。という新しい構成が興味をそそります。そして実際に読むと面白いこと面白いこと。 基本が引篭りの聖女ですからね。魔法の使い方も嫌な事から逃げる時に全力で使う。それがまた面白いです。 物語はゆったりとした文体で進み、ちょっぴりシリアスな場面も柔らかく表現されています。それが癖になったら読む手が止まらないでしょう。 ほのぼの楽しみたい方、干物娘に癒しを求めるそこの方、ぜひ読んでみてください!
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