夕暮れを、逢魔ヶ時ともいう。何かに逢ってしまうかもしれない、そんな時間だからだ。
主人公の水上麻奈は、半分透明の怪しい男に連れ去らわれて、赤い夕日が照らす廃校に閉じ込められてしまう。その閉ざされた世界は、住人の馴染みの深い場所に変化するという奇妙な場所だった。
男の言葉によると、ここにずっといたら、姿が変わり気が触れてしまうという……。
麻奈は、はたして姿が変わる前に脱出できるのか。
住人達が抱えるトラウマとは何か。
そして、麻奈のトラウマとは?
謎と緊張をはらんだ物語は、非常に読者の興味をひきます。登場人物も皆個性的で一癖も二癖もある人ばかり。正気を失い、異形の姿になり、深い狂気に囚われていても、彼らは危うい程に魅力的です。
どこか艶めいた香りが漂うこの物語。あなたも自分の目でその結末を確かめてみませんか?