ある思いがけない出来事をきっかけに少しずつ、しかし確実に近付いていく二人の距離感の描写が絶妙なお話です。 楽しいことだけでなくつらいことも起こりながら進んでいく学校生活、そんなある日……の80話は、読後感がこれまで以上に爽快でした。あとがきで作者さんがこの話から三章後半、と仰っている通り、この場面は物語の転換点の一つなのかもしれません。 最初から通しでゆっくりと読まれることをおすすめします。ヒロイン側の一人称の心理も細やかに描かれていて話の世界観がリアルに伝わってきます。