屋根裏部屋に、憧れた頃がありました。
きっかけは……やはり「まっくろくろすけ」でしょうか?
どんな家にも当たり前にある筈なのに、「危ないから行っちゃいけません!」なんて怒られて行くことができない、そんな場所。
―――押入れをひっくり返しても、
―――クローゼットに潜っても、
―――駅の柱に飛びついても、
異世界に行けなかった私にとって天井裏は、何処よりも身近な非日常でした。
この物語は、そんな屋根裏部屋を舞台にした作品です。
なろうラジオ大賞参加作品ですので、千文字も無いような超短編です。
夢を叶える為に上京してきた少年が、お姉さんと出会って、恋をする。たったそれだけの作品です。
けれどそこには、数えきれないドラマがあります。
どうぞ、ご一読下さい。
屋根裏部屋を掃除が面倒な場所としか思えなくなった今になって、ふと読み返したくなるような良作です。