レビューした作品一覧全4件
五感がない、コミュニケーションが取れない、魔法なんて使えない。チート?長生きだけできるけど何か?みたいな、とんでもないマイナススタートからのダンジョンコア転生ストーリー。 知覚ができないから、序盤は内面世界だけで進行するという、主人公だけじゃなく、読者すら試される展開に度肝を抜かれた。 少しの成長を重ねて、失敗して、死にかけながら前進する話に、俺Tueeeeの逆説的な楽しみがあります。 ありきたりな展開に飽きた方にオススメ!
ウィルス研究者が戦国時代らしき農家の子供に転生し、生活水準をあげながら、生き残りを図るために成り上がっていく物語。 戦国転生モノにありがちな「知識チート」は駆使するものの、金も人も権力もない農民スタートなので、苦労の連続。木の1本伐採するにも、村長の許可が必要な中で、隠れて開発を進め、少しづつ手を広げていく。 村長にぼったくられたり、理不尽に殺されかけたりしながら、しぶとく成果を積み重ねる姿に、読者は心躍り、成功に歓喜する。 この物語には、知識チートはあるものの、地道に苦労を重ねてるからこそのカタルシスがある。
レビュー作品 波の花の如く
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野心ゼロの戦国娯楽活劇
投稿日:2022年6月16日
史実で本拠地を落城させまくった「不死鳥」「戦国最弱」の異名を持つ小田氏治に歴女が転生した物語です。 史実では男性ですが、本作では男性として育てられたお年頃の女子。ですが、恋愛要素などは皆無で、内政や、コレクション収集には全力で励み、歴女の興味の赴くまま、自由快活に戦国の世を渡り歩いていきます。 例えば、思いついた計略をノリで実行して、隣国領主の心胆寒からしむる破滅に導いたり、意図せず忠誠度100になった忠臣たちに振り回されたりなど…笑いどころたっぷりなことに加え、主人公の嫌味のない性格で、引き込まれる展開が目白押しです。 領土意欲はあまりなく(むしろ、内政が大変になるから嫌がる)、他の戦国系の作品とはだいぶ毛色が違っていますが、とても面白いので、おすすめです!
ショゴスは、元人間の記憶を保持し、クトゥルフの怪異に転生した存在である。人間の頃のトラウマで、病的に人間の愛を求めるが、一方で人間は捕食対象である。当然、まっとうな精神性を保っているはずもなく、共感性が欠落している。 彼は捕食した人間の姿に擬態して、その人間の人間関係をそのまま奪い取り、なりすまそうとする。だが、姿形は似せれても、根本的に共感性が欠落しているため、何度もボロを出してしまう。 ショゴス転生は、そんな試行錯誤を繰り返しながら、自分を愛してくれる人間を求め、捕食し、成長していく狂気の物語だ。 私は、名作漫画[寄生獣」に出てきた、田村玲子が、人に擬態しながら子どもを宿す話を思い出した。彼女は研究的な視点で人間の理解を試みるが、ショゴスは愛されたいという衝動が重すぎ、知能も低いので、何につけても失敗してしまう。それが、凄惨なはずなのに滑稽に見えてしまうのが、とても面白い。
レビュー作品 ショゴス転生
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