レビューした作品一覧全13件
ミリタリー表現の極地。
投稿日:2020年6月19日 改稿日:2020年6月19日
いわゆる戦争における少年兵を題材にし作品。 題材の着眼点もさることながら。 ホントにすごいのは戦闘描写のキレです。 まるで剃刀の刃を渡るような感覚を覚えるほどに洗練されたタッチで描かれる戦闘シーンは必見です! いわゆる戦争物なわけですが、キチンと『死』について描かれています。 我々読者は主人公の仲間あるいは敵対的な人物の死を通すことで、この物語での生を実感します。 しっかりと真正面から人物の死を描くからこそ、登場人物の生がより彩りを持つ。なんとも皮肉な話ですが、登場人物全てに『個性』あるいは『人生』そういったものが込められています。 戦争物という枠組みでは収まらない、『生と死』の物語。 とても面白い作品です。
レビュー作品 SLUMDOG
作品情報
読書家は賢い。 令嬢ブルーナは本が友達。 ただの令嬢物だと思って読むと、とんでもない衝撃を受けます。 流麗な文体から織り成される優しく儚い物語。 人と人との心の接近。 そこから生まれる力や影響。 ブルーナの体験、出逢い、選択。 その全てが彼女の周りの世界にダイレクトに反映されていきます。 まるで彼女こそ、この世の女神であり英知の化身であるかのように。 そこに生まれるカタルシス。 ネタバレ無しでは語れないし、むしろそんな情報を入れないままに楽しむのが、本作に向き合う上で極上の読書体験の一助となるでしょう。 この作品に出会えた幸福に感謝しつつ、私もブルーナの在る世界に戻りたいと思います。 まだ本作を読まれていない、名も知らぬアナタと、いつかこの作品について語り合える時を楽しみに待っています。
維緒とサラの不思議な冒険。 とても優しい物語です。 戦闘の代償は身長。 だから、身長RPG。 もう、この設定一つとっても作者様の優しさと愛が溢れていると感じます。 春の暖かな日差しのように、穏やかな語り口で心をポカポカと照らしてくれるような言葉選びと表現。 読めば読むほど引き込まれていく深い設定。 この作品を構成する全ての要素が秀逸で、二人の冒険を鮮やかに彩ります。 個人的に、今一番読んで欲しい作品です。
異世界に行くのかと思いきや
投稿日:2020年4月18日
全然、違いました! そして、むしろその設定がストーリーの推進力になってお話を違和感なく進めてしまっています。 分厚い設定と流れるような話運びで最初の一文から引き込まれてしまいました。 キャラクターはシリアスな雰囲気を漂わせ、それと調和したディストピアな世界観。 これは大事だぞと、我々読者に危機感をもたらします。 骨太な作品が読みたい。 ファンタジーに食傷気味な方に是非一読していただきたい作品です。
天然ヒロイン堅物ニャンコ
投稿日:2020年4月17日
天然で少しおバカなヒロインと、堅物で真面目一辺倒なニャンコ。 一人と一匹のバディストーリーが、軽やかなタッチで描写されています。 何も持っていない主人公が異世界転生を通して何かを得る物語は数あれど、全てを持っていた主人公が文字通り一文なしで異世界に放たれ、現世で持っていたものを投げ打って目の前のトラブルに立ち向かうシナリオは極めて独創的であり、巧妙なキャラクター配置だと感じました。 まるで少女漫画の世界のような甘美で色鮮やかな世界観は時として読み手を選びますが、この作品に関してはその甘さすら愛しくて堪らなくなるほどのチャームを持っています。 少女漫画が好きな方には特におすすめで、少女漫画を読んだことがない方、もっと言えば、そういった世界観に触れたことのない方には更におすすめの作品です!
仏教の神々を背景にした物語ですが、そのイメージに反して堅苦しさは一切ありません。 軽妙な会話劇と丁寧な描写で神話物にありがちな息苦しさを全く感じさせないまま、読者の心にすとんと落とし込んでしまう説得力があります。 美麗なアートワーク、痒い所に手が届くような筆者様の注釈。 その全てから、私たち読者を想う筆者様の優しさが滲み出てくるようで、とても暖かな作品です。 本作を読了した後に登場人物の神々を調べてみると、なるほど登場人物達のあの会話、あの性格、あの思想にはこういった背景があるのかと感心しきりです。 神話物が苦手という人にこそ推したい作品です。
理という名の概念
投稿日:2020年4月16日
なるほど、哲学的な考察を中心に置きながら、果たして人とは何なのか。果たして言葉とは何なのか。果たして文章とは何なのか。果たして感動とは何なのか。 そんな疑問、あるいは疑念が心に沸沸と湧き上がるような読み味です。 上記の概念的な(敢えてこの言葉で表現するなら)『単語』の正体、あるいは実態、あるいは真理、それに対して深い考察とシンプルな回答がこの作品の肝の部分にどっしりと鎮座していて、短い文章ながらこれだけの知的探究心を煽る文章に驚愕を隠せない想いです。 まさに魅了されました。
ああ、愛されてるんだなあ
投稿日:2020年4月16日
愛って基本的に同じ種族の間に発生するものだと思っていたのですけど、この作品はそんな根本的な概念を文字通り鎧袖一触にに打ち砕いてしまいます。 だって、ニーナさんと聡さんの間には確実に愛があるんですから。 会話もなく聡さんの気持ちを理解してしまうニーナさん。 かなり露骨にやきもちを焼くニーナさん。 この関係性、 美しすぎます。 重厚な語り口なのにわたあめが口の中で溶けるようにすっと頭に入ってきてしまう情景描写もさることながら、合体シーンや様々なガジェットの描写がとにかくすごいです。 これでもかとロマンを詰め込んだ玩具箱を頭から一気にかぶせられるようなパンチの効いたシーン展開。 すさまじい一作です!
種を超えたキズナで!
投稿日:2020年4月15日
軽妙な語り口で進むためとても読みやすい作品です! しかもネーミングセンスが秀逸すぎて筆者様のこの着想はどこから得ているのかがとても気になるほどです。 そしてそんな素敵な名前にとユニークな個性に彩られたキャラクターが織りなす会話劇がとてもとても愛おしく、この世界は、確かに、どこかに、在る。 読者である私を、そんな確信めいた気持ちにさせてくれるのです。 特に、物語の軸になる主人公のキャラクターがとても味のあるキャラクターで、そりゃ周りの人は助けてあげたくなるよね。 と、ご都合主義的になりがちなジャンルとしての異世界ファンタジーのシナリオに説得力を持たせてくれのです。 そしてそんな主人公の相棒とも言うべきキャラクターの台詞の言葉選び、仕草、不意に見せる優しげな雰囲気。 全てが絶妙にマッチしていて、よりこの世界観に濃密な重みと厚みを生み出してくれています。 いま、読むべき良作です。
一匹狼!孤高のダークヒーロー
投稿日:2020年4月14日
主人公さんがとにかくカッコイイ! とても冷徹で常に冷静な彼が、不意に見せる人間味というか人間臭ささがとってもキュートです!骨太で考え尽くされた世界観と重厚な文章構成がそんな彼のギャップをより引き立てていて、読み応えがストップ高です! バトルシーンの描写が、非常に巧みでまるでアクション映画を観てるみたいです。 とっても面白いです!
彼は英雄、同時に貧乏
投稿日:2020年4月14日
設定が秀逸すぎて驚きました! 転生チートものの宿命であるパワーインフレをまさかのパワーデフレによって解決してしまっています。 そして何より軽快な語り口で読者に目を離す隙を与えない巧妙な文章力。 これはすごい作品だなと。 何より、まるでRPGをプレイしているかのような没入感を文章で再現するのはなかなか骨が折れる作業であると同時にとても難しいことなのではないでしょうか。 今後の展開に期待です! まさか本当に宵越しの銭を持たない主人公に出会ってしまうとは。 必見です!
遅々とした足取りながらも
投稿日:2020年4月14日
少しずつ強くなる主人公にアガります! 喜ぶと振り出しに戻ってしまう。 考えるだに恐ろしい設定で、何度でも響く鐘の音に戦慄します。 でも、その喜びを二度味わえるとしたら、それは意外にも幸せなのかもしれません。 何度もやり直して最適解を導き出すという設定は場面変更と時間軸の操作が何度も訪れる難しい作業だと思います。 それを難なくこなしてしまっている作者様に脱帽です。 個人的にはロイド爺さんが好きでした。 出番は少ないですけれど、いいですよね。 決して約束を違えず、影ながら剣聖を見守る。 漢気を感じました!
アミィちゃんのせいです。 49話まで読んだ状態でのレビューです。 どのメイドさんもキャラクターが立っていて感情移入して読んでしまいます。 キッカさん。一見ドSなのですが、好きなものが小さい子供というのも良いですよね。 ギャップ萌えです! ギャップと言えば、戦闘時ののアミィちゃんもギャップがすごい! 地の文もテンポの良い言い回しで非常に読みやすい作品でした! 妹メイド、ドSメイド、お姉ちゃんメイド、次のメイドさんが気になるラインナップです!
レビュー作品 【旧】アミィ
作品情報