レビューした作品一覧全5件
ロールプレイを貫くあまりに、煙たがられて仲間が居なかったリザ。 そんなリザと、ひょんなことからタッグを組むことになった新人掃除人のレイスが、未知とスリルを求めてクトゥルフ神話、SCP、きさらぎ駅を初めとする都市伝説がひしめく深淵へと挑む物語。 戦闘パートもさることながら、レイスのサイドキックとしての活躍が読んでいて面白く、リザとのコンビネーションに胸を熱くさせられます。 各シナリオ毎に様々な怪異が登場し、キャラクター達も個性があって非常に魅力的です。 題材や雰囲気、ゲーム性やキャラクター達のロールプレイも相まって、TRPGのリプレイを読んでいるような気持ちになりました。 名作TRPGのシナリオのように、謎解きと戦闘のバランス・テンポが良く、章が終わる毎に心地良い達成感に包まれることでしょう。 最高にイカした仲間達と、とびっきりのスリルを求めて、掃除人になってみませんか?
青春、それは明るく楽しい言葉だ。 少年少女が送る、甘酸っぱくも希望に満ち溢れた日々。 気の合う仲間たちと送る青春は、とても楽しいだろう。 人は青春を好み、多くの物語は青春という言葉で溢れてる。 ーーしかし多くの青春には、重みがない。 確かに楽しいことも沢山あるだろう。 でも濃密になればなる程に、青春には痛みが伴う。 その張り裂けそうな胸の痛みを、魂の叫びを、声にならない想いを。 表面だけなぞった青春ではなく、お互いを想い合うからこその質量を伴った重みが、青春が、この作品には籠められている。 劇中の歌に籠められたその想いは、物語が進むほど重く深くなっていく。 平凡な筈の日常は、嬉しくて、楽しくて、苦しくて、切なくて。 それでも彼等は必死になって手を伸ばす。 これは、傷だらけの少年少女の想いが奏でる、青春協"想"曲。 ーー読み終えた時、貴方は青春を知る。
あらすじにある通り、下半身直結型の勇者()に幼馴染みや義妹をハンティングされて傷心の主人公が、更に不幸に巻き込まれつつも特別な力に目覚めて......と下のレビューにもある通り見事な前フリにざまぁの快感を期待させられた。 だが蓋を開けてみれば、実は家事スキル(という名の秘書執事スキル)がカンストしててダメ人間製造機としてのスペックを遺憾無く発揮したり、ふとした拍子に強力な能力に目覚めるもその能力を使いこなせることが戦う最低条件という(いずれ襲来予定の)魔王がクソチートだったり、全体的に設定も練られている。 全体的に勘違いモノの雰囲気かつ主人公が宿屋=世界一の職業と盲信してたりとコメディー成分が多いものの、戦闘シーンや能力の説明等はしっかりと描写されるなど、思いの外バランスがとれている物語である。 ただのざまぁ話では終らないポテンシャルを秘めている物語なので、是非読んでみて欲しい。
シンプルに面白い復讐劇
投稿日:2018年2月7日
人類のために魔王を倒した若き勇者を裏切り、手に掛けた卑劣な者達を相手に、おっさんが資金、組織、人脈を駆使して復讐していくという物語。 分かりやすい勧善懲悪物でありながら、主人公が独り復讐に燃えて裏切り者を殺して終わりといった単純な内容ではなく、主人公が勇者を支援するために育て上げた巨大な組織を使って相手を追い込んでいくという一工夫加えたストーリーになっている。 分かりやすい上に話が単調にならず、かといって複雑でもない。 テンポも良いからサッと読めて面白い。 まだ字数は少ないけど、十分面白いから是非読んでみてくださいな。
レビュー作品 勇者の商人
作品情報
ある事故が原因で時が停まってしまった青年の人生。 ある少女と出会ったことを切っ掛けに、青年の時間は再び動き始める―― 偶然勇者召喚に巻き込まれた青年は、特殊な能力を手に入れた。 それは、異世界で生きていくためにはあまりにもちっぽけな能力で。 それは、魔法がごく当たり前に存在する世界においてとても非力で。 その魔法は、ほんの少しだけ相手の気持ちを理解することが出来るだけの、とても優しい『魔法』。 ごくごく平凡な青年は、優しい『魔法』とそのひた向きな魂の在り方だけを武器に、世界での存在感を増していく。 これは心優しい青年が、様々な立場の人物(主に女性)と出会い成長していく、シリアスを何処かに忘れてきた心暖まる物語。 1年後の送還の時、果たして青年はどの決断を下すのか。 人脈チートの力、とくと御覧あれ。 ――異世界日常系ドタバタラブコメディ、ここに開幕――