なろうでは珍しい本物の純文学作品である。
言葉をテーマとして取り扱う作品であるため、文中の言葉遣いは洗練されており、読んでいるこちら側はつい恥ずかしくなってしまう。
また作者様の知識量も手前側をゆうに圧倒してくるため、読む際には辞書を手放せないのだ。
しかしそれ故に1話読了した後の達成感は一入である。
さながら幼少期にはじめて1人で1冊の文庫本を読み終えた時の様な。
人の命の儚さや芯にある強さ、人間関係などの難しさなど人生の中で必ずぶち当たる困難を描いているために毎度手に汗握ってしまう。
そして強いけれども確かに弱い主人公を追っていると「南柯之夢でもいいじゃない」と思うのだ。