レビューした作品一覧全4件
"魔法"とはなにか。
投稿日:2025年2月20日
世の中には、あまたの魔法が登場するファンタジーが存在している。 ある作品では、自分が強者であるための力として。 また、ある作品では自分の持つ遥かな可能性として。 「魔法の本質は願いよ。」 作中のある人物の言葉だ。 私はここに、魔法、ひいてはファンタジーへの作者の深い解釈を感じた。 この作品の中で、魔法の効果は、たった10秒と、けして大きなものとは言えない。持っているからといって絶対的な力の差になるわけではないし、誰もが羨ましがる才能にもなりえない。 しかし、だからこそ、最後まで読んだとき、「"魔法"とはなにか」という問いへの作者の答えがストンと腑に落ちるのだ。 私は休日には図書館に通いあらゆる本を読み漁るほどの本好きだが、この作品は、これまでで十指に入る面白さだった。 このレビューを読んだ方にも、この作品の読後感をぜひ味わってほしい。
レビュー作品 最後の魔法
作品情報
出てくる性癖がガチ
投稿日:2022年10月31日
皆さんは、変態と聞いて何を思い浮かべるだろうか? 露出狂?マゾヒスト?下着泥棒? 甘い。しかし甘すぎる。 この作品における"変態"とは到底そんな範疇には収まらない。 何というか…ブッ飛んでいるのである。しかも只ブッ飛んでいるだけではない。完全に一線を踏み越えたキワモノぞろいの癖に、イヤにリアリティがあるのだ。 見た瞬間は笑い飛ばせるかもしれない。しかし、日常のフトした場面ー例えば隣人との挨拶、人とすれ違う時ーで思うのだ。「もしかしたらアノヒトはあんな性癖を持っているかもしれない…」と!怖すぎる… 多分、作者はすべての性癖を持っている狂人なのだろう(誉め言葉) だってさぁ… なんか性癖がガチなのよ… フィクションに思えないの… ファンタジーな世界線のクセにさぁ… 最後に警告しておこう。 「(読む前にはもう)戻れないぞ!」、と。
簡易版を見て、なろうに溢れかえった「追放モノ」の話だけれど、とりわけ綺麗にまとまったいい作品だなと思いました。 気まぐれに読破済みのブクマを漁っていたら、完全版があるのを見つけ、一気読みしました。 完全版は、もう「追放モノ」と括れないほどにオリジナルで、しかも簡易版の綺麗さが一切失われていない名作でした。陳腐な言葉ですが、まさしく感動しました。キャラクターの息吹を五感で感じた。物語が、濃かった。文庫本一冊の文字数で出し得る面白さを極限まで追求している作品だと確信した。 コミカライズ向きな作品内容なので、この作品の第三形態、コミカライズも、楽しみに読ませていただこうと思います。 最後に一言。素晴らしい作品をありがとう!
この物語、本当に面白いんです!本当に! まず、キャラが魅力的すぎる! 主人公は言わずもがな、登場人物全てが、キャラ立ちし、存在感をアピールしてきます。少ししか登場していなくとも、ああ…あいつね…、と読んだ後で存在をアピールして来る筈。 そして、主人公の行動原理がまたかっこいいんですよね!「退屈」という、誰しもが持つ感情は、容易に読者をシール君に感情移入させてくれます。 更に、巧緻なバトル描写! 文字だけで、その戦いが目の前で繰り広げられている錯覚を覚えます。そして納得感のある決着。これ、簡単なようで、多くのなろう小説に無いものなんですよ。バトルのバランス感覚が絶妙なんですよね。 そして、言葉選びのセンス! どこかの死神漫画を読んでいるかのような粒立った言葉たち。優雅なんですよね、文調が! 一旦読んだら止められない。そんな熱中をあなたに。彼の物の名は『退屈嫌いの封印術師』