本作は「2人だけの閉じた世界」がテーマです。
モチーフはいわゆる人魚姫。
陸の王子に焦がれた彼女は色々と画策します。
最終的にはテーマ通り、二人っきりになるわけですが……。
結末は、読者である我々が彼らの「幸せの尺度」を勝手に決めるのは
おこがましい話になっております。
なぜなら何が幸せかを決められるのは、その本人のみ。
物質的に豊かでも不幸な人はいますし、逆に清貧でも幸せという人もいます。
この場合は……人魚さんの心理状態は言わずもがな。
そこは本編をご覧になってご確認ください。
あとは──偏愛か純愛かどうかを決定づけるのは、当事者の王子の胸三寸だけ。
ただし。
そこの描写だけは、あえて読み手の想像の余地を残しています。
さあどうぞ、読んでみて下さい。
あなたにとって、これは偏愛がもたらした狂気の悲劇しょうか?
それとも……2人の閉じた世界における、究極の純愛でしょうか?