レビューした作品一覧全4件
証明完了。もしくは正義のありか
投稿日:2020年10月24日
かわいいは正義 猫はかわいい 故に猫は正義 Q.E.D. 犬派は反論したいだろうが、少し待って欲しい。 このテーゼは犬がかわいくないとは明言していない。 2行目3行目の猫を犬に置き換えると かわいいは正義 犬はかわいい 故に犬は正義 となり、犬もまた正義であることが証明出来るのだ。 猫も犬もかわいい。故に正義。 そこに天使が、天使のように彼らを愛する女の子が加わればどうなるのか。 答えはここにある。 さあ、ページを開くが良い。 これは証明であり福音である。 かわいい×かわいい×かわいいの三重奏に身も心もどっぷりと浸かるがいい。 もう一度言おう。これは証明であり福音である、と。 作品ジャンルとしては、婚約破棄からの令嬢逃走もの、なのだろうが、ぶっちゃけそんなのはどうでもいい。 猫がかわいい犬もかわいい女の子も可愛い。 かわいい、故に正義。 その真理を教えてくれる作品である。
一級品のビルドゥングスロマン
投稿日:2020年8月27日
一度は絶望し、全てを諦め、その世界を去ろうとした男は思い出す。楽しさを、喜びを。 彼はもう一度立ち上がる。状況は何も変わってはいない。彼は弱者であり、捕食される側。しかしそれでも彼はその困難に立ち向かう。 胸に秘めるは情熱。心に秘めるは渇望。 策を練り、研鑽を積み、情報を集め、持てる全てをかけて彼は戦う。 願うは勝利。ただそれだけ。 そのために彼は全てをかけるのだ。 まだ読んでいないのなら、一読を強くお薦めする。 読んだ方がいい、ではない。 読まない方が損、だからだ。 一区切り付いたとの事なので、レビューを書かせてもらいました。早い帰還を待ってます。
読め!そして泣け!
投稿日:2020年8月23日 改稿日:2020年8月27日
これは勇者の物語。 虐げれ、打ちのめされ、ストレスの海に溺れる男は願った「癒しが欲しい」と。 神はそのねがいを受け入れ、男に安息を与える。 週に一度、彼に与えられる1日だけの自由と1万円。 疲れ果て、ボロボロの心と体を癒す美酒と美食。 しかしそれは無制限ではない。 24時間と1万円という制限が彼を悩ませる。 しかし、それは幸福な悩み。 その悩ましさも癒やしであり、その悩む時間さえも幸福なのだ。 これは勇者の物語。 重すぎる使命を背負い、手に負えない仲間たちに苦しむ勇者の物語である。 使命を業務に、仲間を同僚と上司にしてみると… 何故だろう、目から九州人汁(主成分は豚骨)が止まりません。最近暑いからなあ、アハハハ。
カルビーのあれのような作品
投稿日:2020年7月29日
元々文庫でこの作品を知り、そーいえば、とこちらでも読み始め、一気に読了。 1話のサイズが適切で読みやすく、気がつけば次の話を読み始めている。間違いなく良作。 若い世代の活躍が目立つが(主人公とその周りが若いから仕方ないが)脇を固めるその上の世代が格好いい。素晴らしい死に様、生き様を魅せてくれた北方の爺様達には涙腺を決壊させられた。 だめな兄さんも決める時は決めるし(腕立て伏せinクローゼットはどうかと思うが)、周りの騎士達も格好いい。脇役が魅力的な作品は良作であるが、この作品もその例に漏れない。読んでおいて損は無いと太鼓判を押せる。 ただその読みやすさが問題。まるでカルビーのかっぱえびせん。読み始めると止まらない。 おかげでスマホのバッテリーが2回も切れたよ…