勇者が冒頭すでに記憶喪失というのが興味を引きますね。
それと冒頭から絶望的、闘技場に出場させられること。敵はいきなり強敵。
応援もされず死地に立たされる。この絶望感。
物語のトーンが暗くはならないのが上手な作者さんだなと思います。この牢屋には救いもあって、隣の牢屋にのちの相棒とも言うべき存在になるスミスがいる。ずっと励ましてくれるばかりでなく、知略も持ち合わせる。
そして二章以降も、物語に笑いをもたらすコミックリリーフの役割をも担う良キャラ。名脇役。
また、戦闘シーンが上手い。身体の動きの描写が細かくて素晴らしいです。
アルド王子様が、黒幕かと思っていたら王様の策略。アルド王子も、はじめこそ勇者を闘技場で処刑することは合理的に事務作業感も漂わせていましたが、スミスを通して変わっていく。アルド王子って意外に世間知らずな感じもあり、どう動くのか読めなくて面白いです。