レビューした作品一覧全4件
右肩上がりに面白くなる!
投稿日:2023年8月19日
 右肩上がりに面白くなる作品です。  初め、主人公や登場人物の独特な口調や価値観に戸惑ったけれど、読み進めて良かったと心の底から思いました。  キャラクターは誰も彼も個性が強くて、表情まで浮かんでくるように生き生きしているし、物語の展開も全く予想がつかなくてワクワクします。  何より主人公がカッコ良すぎて惚れる。特別、カッコつけようとか思ってないのにいちいち行動がかっこいい主人公にハマります。  おすすめです。    
筆力が高い。 誤字脱字もほとんど無く、文法も綺麗で読んでいるだけで気持ち良くなれる。 一文一文の長さや行間が適切で可読性が高い。 淡々と執拗なほど丁寧に主人公の人生を描いている。まるで大河ドラマでも見ているような読後感。 能力バトルや恋愛なんかの分かりやすい面白さに頼ってない。頼らずとも面白い。 作中の武術や魔法、国ごとの文化等の設定もしっかりしているので本当にそういう別世界があるように感じられる。 主人公の周りのキャラクターが誰も彼も魅力的な作品。
心温まる褐色エルフの異世界旅
投稿日:2022年8月20日
 一話目から凄い。  タイトルの通り「私はおじさんである」という一文からこの物語は始まります。  そこからおじさんの独白が始まったかと思えば、シームレスに異世界にTS転移します。  そんな異常事態に見舞われているにも関わらず淡々とした筆致でおじさんの心情や情景が描写されていくものですからそのギャップがまぁ面白い。  ジャンルは間違いなくハイファンタジーなのに何か文学作品のような読み味です。  この作品にはドラマチックな恋愛や派手な能力バトル等はありません。  ただただ高い筆力で、元おじさんのグラマラス褐色エルフさんが素敵な仲間達と異世界を旅する物語です。  異世界の常識に悩み、人との関係に悩む、そんな等身大の悩める主人公が好きです。  お勧めです。   
完全で不完全な少女の素敵な縁のお話
投稿日:2021年10月27日 改稿日:2021年10月27日
 主人公のクリシェは目的の為ならば手段を選びません。  それが常人の感覚では眉を顰めるような事であってもなんの痛痒も感じません。  またそれを押し通せるだけの隔絶した能力を持ち、その意味で誰よりも純粋で完全です。  そして完全な純粋さというものは排斥されて然るべき異質以外の何物でもありません。  しかし本作の主人公は素敵な縁に恵まれていました。  主人公の淀みのない純粋な心や異質さを含めたありのままを受け止め、導き、愛してくれる人々に出会っていきます。  そしてその出会いはいつしか主人公の完全さを失わせていきますが、それはとても良いことなのだと素直に思える作品になっています。  戦記を下地とした、この登場人物達の黒でも白でもない思いや欲望、愛憎を是非ご覧になってください。