一話目から凄い。
タイトルの通り「私はおじさんである」という一文からこの物語は始まります。
そこからおじさんの独白が始まったかと思えば、シームレスに異世界にTS転移します。
そんな異常事態に見舞われているにも関わらず淡々とした筆致でおじさんの心情や情景が描写されていくものですからそのギャップがまぁ面白い。
ジャンルは間違いなくハイファンタジーなのに何か文学作品のような読み味です。
この作品にはドラマチックな恋愛や派手な能力バトル等はありません。
ただただ高い筆力で、元おじさんのグラマラス褐色エルフさんが素敵な仲間達と異世界を旅する物語です。
異世界の常識に悩み、人との関係に悩む、そんな等身大の悩める主人公が好きです。
お勧めです。