この作品は、空中に、ある種のボックス型の空間を固定できる技術が生み出された未来の話です。
空中に居住空間が作られ、それが「エアリアルルーム」という名で売買され、そのインテリアに携わる仕事も「空間コーディネーター」という名の職業として成立しています。
SF作品としての要素もありますが、この作品の主題は、人と人の繋がりや、言葉にすることの大切さ、病気との共存といった普遍的なヒューマンドラマにあるような気がします。
「エアリアルルーム」を求める人々は、そこに、それぞれにとっての理想的な空間を創り出そうとします。その手助けをする「空間コーディネーター」のが主人公の北川。北川はクライアントたちの希望に沿う部屋を作るため、そして、娘アイとの暮らしを守るため奔走します。
もし、あなたが「エアリアルルーム」を持つとしたら、どんな部屋にしたいですか? そして、誰と過ごしたいですか?