レビューした作品一覧全202件
この作品は、空中に、ある種のボックス型の空間を固定できる技術が生み出された未来の話です。 空中に居住空間が作られ、それが「エアリアルルーム」という名で売買され、そのインテリアに携わる仕事も「空間コーディネーター」という名の職業として成立しています。 SF作品としての要素もありますが、この作品の主題は、人と人の繋がりや、言葉にすることの大切さ、病気との共存といった普遍的なヒューマンドラマにあるような気がします。 「エアリアルルーム」を求める人々は、そこに、それぞれにとっての理想的な空間を創り出そうとします。その手助けをする「空間コーディネーター」のが主人公の北川。北川はクライアントたちの希望に沿う部屋を作るため、そして、娘アイとの暮らしを守るため奔走します。 もし、あなたが「エアリアルルーム」を持つとしたら、どんな部屋にしたいですか? そして、誰と過ごしたいですか?
レビュー作品 空間に綴る
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ライダー市場、最もショボいライダーの登場! え? 「史上」の間違いだろうって? それがね、出荷されなかったみたいなんで(笑)。 主人公は、悪の秘密結社「シュッカー」によって、「きゅうり男」に改造されそうになったようなのですが、なぜか、河童に。 改造人間、河童ライダーなのです。 世界の平和を守るため、河童ライダーはマイバイクにまたがり、怪人を追いかける。 さあ、河童ライダーは、怪人を倒せるのか? そして、世界の、町内の平和を守れるのか? 町中に響き渡る声援を受けて……。 結末は、いかに?
レビュー作品 河童ライダー
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元不真面目見習いシスターこと、ハヅキ。 なぜ、「元」なのかというと、前作『不真面目シスター、悪霊を従える の巻』で、いろいろヤラカシちゃったせいで、クビになっちゃったのです。 ちなみに、シリーズ3作目です。単独でも十分楽しめる作品ですが、通して読むと、より面白いので、ご参考までに。 で、シスターをクビになっちゃっただけでは済まず、王国最大の牢獄へと送られてしまったのでした。「十日後に迎えに来る。それまで……生き延びなさい」という言葉とともに。 さあ、ハヅキは、果たして、この絶体絶命のピンチをどうやって切り抜けるのでしょうか? そして、ハヅキを待つ運命とは……。 シリーズ2作品を経て、更にスケールアップした大聖女様もご登場あそばしますよ! お楽しみに。
「昭和家電」という言葉を目にした時、何を思い浮かべますか? 昭和生まれの世代ならば、実際に「家にあった!」とか「使ったことある!」でしょうし、平成生まれの世代でも、「おばあちゃんちにあった!」かもしれません。 最新型の家電は機能も充実し、デザインも洗練されていますが、昭和の家電たちは、大きくて、重くて、存在感があったような気がします。 そして、大きな押しボタンやダイヤル付き。 どことなくユーモラスで、愉快な感じだったように思うのです。想い出補正はあるかもしれませんが。 そんな「昭和家電」にまつわるちょっと懐かしいお話です。
え~と、本作にはゾンビが登場します! しますが、たぶん、それほど怖くないゾンビです。 ……そうでもないか? とにかく読んでいただければ、そして読み終わっていただければ、ゾンビどころではないストーリー展開に、ゾンビのことなどすっかり頭から消し飛んでしまっているに違いないと思うのです。 そんなことより、もっと恐ろしいことがある。 あるけれど……。 笑えます。 可笑しいです。 そして、大事なことに気が付くでしょう。 「それ」がどこにあるのか? すぐに辿り着けるのか? 確認しておくことは、大事なのです。
出版業界は、いろいろ厳しいようである。 本を読まない、読む習慣が無いという人が増えているからだとか、本を買うための費用が出せる経済状況でないためだとか、いろいろ言われているようだが、とにかく厳しいらしい。 そんな中で、ほとんど、酔っ払いの思い付きと勢いだけで立ち上げられたような出版社があった。 それが、本作に登場するニャーロッパ出版。 どっかで聞いたような名前? その通り。 そして、このニャーロッパ出版創業5周年記念として立ち上げられた企画が大問題なのだ。 夏休み前に、酔っ払いたちが出したアイデア。 いったいどうするのか? 手に汗握るやり取りと、馬鹿馬鹿しい(注:誉め言葉です)展開は、きっと、皆さまを一時の夢の世界へと誘うことでしょう!
大陸に2つの国があった。 片方は攻撃に重きを置き、もう片方は防御に重きを置く。 対照的な考え方の2国は、しかし、同じ程度の国力・領土を持っており、さらに、それぞれに天才と評される軍師がいた。 2つの国は仲が悪かった。 そして、2つの国の争いに乗じて、漁夫の利を狙う帝国の存在が。 さあ、2つの国の命運は、それぞれの国の天才軍師の知略合戦に委ねられたのである。 その決着は、如何に?
レビュー作品 盾と矛
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伝説の勇者の末裔バ家。 そのバ家には3人の兄弟がおったそうな。 しかし、上の2人は、父の死後、3男ラカと飼い猫ロペを家から追い出してしまったのだ。 飼い猫ロペこそが、勇者の遺した「真の遺産」であったのにも関わらず。 そのロペは、人語を操る非常に賢い……。というより腹黒いお猫様だった。ラカに同情してというよりも、自らが粗雑に扱われた恨みで、上の2人の兄へのざまぁを画策するのである。 さすがは、お猫様。自己評価が非常に高い。 さあ、もふもふ腹黒お猫様ロペの活躍(と3男ラカの微妙な勇者ぶり)を、お楽しみに!
主人公のキリルは、星を呼ぶ歌を歌うことができます。 その歌は、大好きなお爺さんに教えていただいた歌なのです。お星様がたはその歌が大好き。 だから、お星様がたは、歌のお礼をするために地上に降りていらっしゃいます。その様子は、星屑の滝と呼ばれるほど。 どれほど、素晴らしい光景なのでしょうか? それなのに、キリルは、村を出ていくことになります。 お星様がたのお礼が、村の人々の望む願いとは違っていたからです。 穏やかで抑えられた文で描かれた、美しい童話です。 静かな夜に、お読みくださいね。
このお話の主人公は、さかさにじの森のあばれんぼうのアライグマ。 へびのかみさまから、かぜを引いたクマに代わって、流れ星のきこうし「オリオン」に、森の動物たちのねがい事をとどけるように言われてしまいます。 アライグマは、ちょっぴり気が短くて、ひねくれものですが、ちゃんと、かぜを引いてしまったクマのお役目を代わってあげるのです。 さあ、この続きは、実際にお読みくださいね。 森の動物たちのねがい事、アライグマ自身は、どうだったのでしょうか?
音楽が身近にある暮らし
投稿日:2022年1月13日
音楽をまったく聴かない、という人は少ないと思う。 ジャンルとか、こだわりとかで、特定のものしか聴かないという人はいるかもしれないけれど。 では、音楽をする人、楽器を演奏する人はどうだろうか? カラオケが普及してるし、歌う人は、それなりにいそうだ。 楽器の方は、子どもの頃にお稽古事でやったか、やらなかったか、が大きそうな気がする。大人になって、自分から始める人もいるだろうけれど、それほど多くはないように思う。 楽器は、やっぱり、子どもの頃から慣れ親しんでいた方がいいようだ。そして、上手に教えてくれる人、子どもたちの立場になって考えてくれる人がいてくれたら、ということになる。この作品を読むと、やっぱり、最後は人なのだなあと感じてしまう。 畑でウクレレ。生活の中で、ごく自然に、音楽に親しむことのできる環境は、こんな感じじゃないかな? と思うのだ。
レビュー作品 畑でウクレレ
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天の川に流れているもの
投稿日:2022年1月13日
天の川って、見たことありますか? 天の川が、銀河系のことで、星の集まりだと知っていたとしても、実際に見たことがある人は、意外に少ないのではないでしょうか? 明るい街の夜では、見ることができませんから。 校外学習のプラネタリウムでなら、見たことがあるかもしれませんけどね。 主人公のタカくんは、小4の夏休みを、夜、天の川が見えるようなところにあるおばあちゃんちで過ごすことになりました。 タカくんは、天の川の正体を知っています。いるんですけど……。 川というからには、何かが流れているはず。 そして、天の川を流れてきたものは、どこに行くのでしょうか? タカくんの夏休みの貴重な体験、あなたも、読んでみませんか?
ハードボイルドとは
投稿日:2022年1月12日
ハードボイルド。 それは、1930年前後にアメリカ文学に登場した写実主義の手法を用いた作品。主に推理小説のジャンルと考えられる。 ハードボイルドの主人公は、孤独である。 ハードボイルドの主人公は、煙草(できれば葉巻がいいのだが、経済事情に左右される)を吸う。 ハードボイルドの主人公は、酒を愛する。 ハードボイルドの主人公は、実は、愚痴が多い。ぼやく。しかし、あくまでもニヒルを装う。 そんなハードボイルドな主人公に惹かれる者は、少なくない。 そして思う。ああ、今は、ハードボイルドには生きづらい世の中だ。昔は良かった。そうだよな、ボギー。
この物語は、寒い国が舞台です。 冬の間、そこは本当に寒くて雪で覆われてしまうため、主人公の少女ターシャは、学校にも行けないし、お隣の家とも離れているため、家族以外と会うことはほとんどないのです。 そんなターシャに、お友だちができるのです。 それは、落ちてきたお星さま。 お星さまは、落ちこぼれだから、空から落とされてしまったと言い、そして、徐々に衰えて、空に戻ることも光ることもできない、ただの石になるのだと嘆きます。 しかし、ターシャと家族は、そのお星さまを迎え入れます。 そして、冬の間、一緒に過ごすことになるのですが……。 果たして、お星さまは、ほんとうにただの石になってしまうのでしょうか? 是非、続きを読んでみてくださいね。
ラップバトル下人 VS. 老婆
投稿日:2022年1月9日
いきなり始まってしまったラップバトル。 下人 VS. 老婆です。 何のことか分からないですか? 百聞は一見にしかず、です。 今すぐ、作品ページを開いてみてください。 国語の教科書に載っていたあの作品が、装いも新たに、よみがえりました。 ひょっとしたら、芥川龍之介も、お墓の中で、吹き出してしまうかもしれません。 個人的には、これを、ラップミュージカル仕立てで、映像化して欲しい気もします。
数えた方、お疲れ様でした。
投稿日:2022年1月8日 改稿日:2022年1月8日
2021年12月16日、1306本の脚をもつ新種のヤスデがオーストラリアで見つかったと、科学誌サイエンティフィック・リポーツで研究成果が発表されたとか。 ヤスデの英語名millipedeがラテン語で「1000本の脚」を意味するものの、これまでは1000本の脚をもつ種は見つかっていなかったらしいので、これで、真に「1000本の脚」と言えるようになったわけです。めでたし、めでたし。 え? ヤスデとムカデの違いが分からない? そういう方は、このエッセイを読みましょう。 ヤスデについて、お勉強するのに、ぴったりですよ。 ちなみに、脚を見逃したり重複して数えたりしないように、グラフィックデザインソフトを用い、真っ直ぐに伸ばした高解像度画像を脚10本ごとに区切って、色分けして数えたそうです。『3回数えて、約1時間かかった。』ようです。 お疲れ様でした。
漱石先生は、聖人ではなかった
投稿日:2022年1月6日
夏目漱石と聞くと、どんなイメージが浮かびますか? 明治の文豪の代表者であり、帝国大学英文科卒で、英国留学もしたという経歴から、インテリの人格者という人物像が浮かんだり、『吾輩は猫である』や『坊っちゃん』といった作品から、やや型破りで茶目っ気のある印象を持ったりする方が多いのではないでしょうか? 一方で、漱石が「神経衰弱」に悩まされていたという話はよく知られているようです。胃潰瘍を患っていたこともあり、気弱で神経質なタイプであるような印象を持つ方もいるでしょう。 漱石の次男で随筆家だった夏目伸六は、一部の漱石崇拝者による漱石神格化に批判的でした。それは、家族に対しての理不尽な家庭内暴力があったからです。 漱石の闇の部分と家族の話、特に妻、鏡子に関する評価に関して、一読していただきたい作品です。
「流れ星に三回願い事を言うと願い事が叶う」と、よく言われていますが、実際、流れ星って、あっという間に流れ落ちて消えちゃうんですよ。 三回って、かなり、ハードルが高いと思いませんか? この作品の主人公、ケンくんも、流れ星にお願いするのですが、なんとか二回は言えても、三回は難しいようです。 三回願い事を言うために、いろいろと考えては、チャレンジを繰り返します。 さあ、ケンくんの願い事は、なんでしょうか? そして、それは、叶うのでしょうか? 優しい気持ちを呼び起こしてくれる、お話です。 是非、お読みくださいね。
貧しくとも「女子力」は大事!
投稿日:2022年1月4日
江戸の長屋には貧しい人たちが住む。 彼ら彼女らの希望は、人呼んで女鼠小僧。女義賊であります。 女鼠小僧は、仕事が速い。素早く、悪代官の屋敷に忍び込むと、さっさと目的のモノ「女子力」を盗んでいきます。 ええ、女鼠小僧が盗んでいくのは、「女子力」なのです。 江戸の町に、貧しい人々に必要な物は、「女子力」。 非常に簡潔かつ、愉快なお話です。 是非、あなたも「女子力」をアップして、お楽しみください。
ぐうたら。 なんて魅惑的な言葉でしょうか。 ぐうたらしたいって、思いませんか? この作品の主人公、カバネル伯爵家の令嬢クリステルも、ぐうたらしたかったのです。 なのですが、クリステルの思惑は外れてしまいます。 それは、バデンタール王家に伝えられる「宝珠」によって、王太子アランの伴侶に選ばれてしまったから。 この「宝珠」、なぜか、へんな訛りのおっさんの喋りをする怪し気な代物。が、力は本物のようです。そして、王国内では、この「宝珠」が神聖視されちゃってるから、クリステルとしては、逃げ場が無いのです。 それでも、ぐうたらしたい! だったら、出来る人に、丸投げすれば? さあ、その結果どうなったのか? 是非とも、続きをお読みください。