進学のため越してきた部屋。そこはシャーペンがたびたび紛失する部屋だった。
越してきた日に二本。それからも失くなり続けること十数本。家具をどかして探しても見つからない。
意味不明な怪異。シャーペンを新しく購入しなければならず地味に嵩む出費。心理的瑕疵ありはこのことかと大目にみていたけれど、ある日主人公は機嫌が悪かったのもあり、つい「シャーペン代払え」と不満を何者かにぶつけます。すると翌日机の上に失くしたシャーペンが返されていて……
この部屋にはやはり何かいました。
けれど、返却の仕方で憎めない存在だとわかります。
そしてそのあとのやりとりで怪異をかわいいと思います。
この怪異はもしかしたら大昔から存在していたかもしれない。けれど見つかってしまってもきっと見逃されてきたのでは、と色々と想像してしまう心温まる?ホラーです。