レビューした作品一覧全2件
進学のため越してきた部屋。そこはシャーペンがたびたび紛失する部屋だった。 越してきた日に二本。それからも失くなり続けること十数本。家具をどかして探しても見つからない。 意味不明な怪異。シャーペンを新しく購入しなければならず地味に嵩む出費。心理的瑕疵ありはこのことかと大目にみていたけれど、ある日主人公は機嫌が悪かったのもあり、つい「シャーペン代払え」と不満を何者かにぶつけます。すると翌日机の上に失くしたシャーペンが返されていて…… この部屋にはやはり何かいました。 けれど、返却の仕方で憎めない存在だとわかります。 そしてそのあとのやりとりで怪異をかわいいと思います。 この怪異はもしかしたら大昔から存在していたかもしれない。けれど見つかってしまってもきっと見逃されてきたのでは、と色々と想像してしまう心温まる?ホラーです。
この作品は“ひとりで頑張りすぎる聖女が戦う物語” です。 化け物との戦いでは力の限り戦います。 服は汚れ、破れ、血塗れになって。 毎回倒れそうになりながら。 聖女が、ですよ? 今や身体強化はデフォルト。 繰り返しますが、聖女が、です。 そこまでして戦う理由。 友人達を人質にとられていることもありますが、彼女の場合は責任感の強さからだと思います。 人より強い力を持つ者として己れが盾となり、一人でも多く守ろうと、役割を果たすために戦う。 一筋縄ではいかない化け物や人間たち。 歴代の聖女と見た目が違うゆえに生じる疑惑を、戦いの中で払拭させながら、ヒーローに見守られ、成長していく姿は自然と応援したくなります。 皆様に、このごまかしのない世界を知ってほしいという思いと、素晴らしい作品を書いてくださったことへの感謝の気持ちをこめて、自身初のレビューを書きました。 作者様に伝わることを願って。