ドイツに似ているけど違う、黒森之國に紛れ込んでしまった孝宏。
彼を拾ったのは妖精猫のエンデュミオン、そしてエンデュミオンが信用できると判断したルリユール(製本、修復屋)のマイスター、イシュカ。
イシュカの新しく開いた工房で、孝宏の書いた物語を見本として製本し、ついでにそれらを貸し出す貸本屋もあわせて始め、彼らの日常は紡がれ始めたのであった。
という一話完結型のお話。
すこし童話の匂いもするストーリーです。
異界渡りと呼ばれる孝宏と、彼に憑いたケット・シーのエンデュミオンを中心として、ルリユールを訪れる人々の日常が書かれています。
疲れたときに読むと、ホットミルクを飲んだみたいな、特別すごいとかはないけれどほんわりあったかい、みたいな気分になってオススメです。