この作品の作者である森野ふうらさんは主に、というよりほとんどホラー短編を書いている方です。
ホラーなので「怖い」という感想になるのが一番普通かと思いますが、この方が書く作品は「気色悪い」という感想に私はなります。
本作は約5000文字の短編で読むのに時間は大して掛かりません。しかし、読後に残される感情の処理には時間が掛かりました。
この「気色悪さ」は登場人物の誰に由来するのか? AさんとSさん? Rさん? Rさんの娘? それともやはりアイツか……?
多分、読む方次第でその答えは変わるのだと思います。
一体、誰が気色悪いのか? 誰のせいでこの作品はこんなに気色悪いのか?
皆様、一度読んでみませんか?
血しぶきが飛び散ったり、幽霊が人を呪い殺しまくるホラーとは違う「ホラー」だと思います。