レビューした作品一覧全2件
作中時間で1000年(弱)に渡る「ちょっと変わったハイエルフ」の生涯を描いた一大叙事詩・叙情詩です。 転生によって少々ハイエルフらしからぬ感性を持ち合わせた、長い時を生きるハイエルフという存在が短い生を駆ける人間と関わって歩む生涯を徹頭徹尾主観で描写されていて、その「人間臭さ」がとても素敵です。 スローライフに飽きたと言いつつ森から出た後なんだかんだ(人間目線では)スローなライフを営んでいるのはなんとも長命種らしいスケール感。 なんとなく自分がかつて親しく関わった人と、当時のことを語らいたくなるような気がする、そんな作品だと思います。
本編は、…言い方は悪いですが正直凡百のヒロインちやほやモノという印象でした。 ですが、最終話 …の、後の「遺言」 これが、この作品における全てではないかなと感じさせられました。 感情移入するとはいえ作品内キャラクターはあくまでも作品内キャラクターで、所詮第三者目線での「共感」であり 読者である「自分」との解離は僅かであれ、あると思うんです。 そこにきて最後(…の後)の、「遺言」ですよ。 …本編でみて、感情移入してきた各キャラの事を「第三者」視点で(しかも自分と同じように好意的に)見る「遺言」ですよ。 こんなの、…………(察して)…………反則に決まってるじゃないですか!!! というわけで、 読む際は自分を「お祖母様」の立ち位置において読むのをオススメします。 …まぁ大部分の人が自然とそうなるだろうけど。 良い作品をありがとうございました。