レビューした作品一覧全3件
夢美里先生の新たな世界が広がります。 死化粧師である廃妃、というだけで興味津々。エンバーミングって??から始めましたがぐいぐい読ませてくれます。 心情、駆け引き、ちょっとした仕草の描写。 一切そうゆう単語は出てこないのですが、行間からにじみ出る官能的な空気感。どこかしら壊れている登場人物。もう最高です。 (さながら、透きとおった水の奈落だな) バディ?が廃妃を表した言葉ですが、深海動画とか見ると落ち着かなくなってしまう私には、深い深い闇が、とても伝わる一言でした。 第二部の終わり、物語の核に迫ってきて、続きが楽しみです。紙で読みたい。
「後宮食医の薬膳帖」の書籍化も決まった(おめでとうございます!)夢見里龍先生の、後宮もの第二弾! 前作と雰囲気は異なりますが、先生の物語に共通した、その場の空気が感じられる描写は今作でもいかんなく発揮されています。大通りの雑踏、裏通りのひんやりとした静けさ。その場にいるような錯覚に疑似体験させられます。 ヒロインは苦労人ですが、明るくポジティブかつ冷静に周囲の行動を観察しています。ちょっとした心の現れが出る身体の動きを見逃さず、そこに行き着く因を探ります。食べ物につられるところも好印象。 お相手は一見取っつきにくそうですが、何やらうちに秘めた熱いものを感じさせます。陰謀?騒動?にヒロインが巻き込まれていく様が目に浮かびます。 ちょうど、最初の事件解決で、すかさず次の案件に移る様子も違和感なく、読んでいて気持ちが良いほどテンポがいいです。 続きが楽しみな物語です!
美味しくなければ、薬じゃない!!
投稿日:2022年8月31日 改稿日:2023年7月27日
訳あり食医の博学ヒロインが周囲に疎まれながらも毒に侵された人々を食で癒していく後宮サスペンス。 訳あり」の謎解きと、イケメンダークヒーローが絡み、博学ヒロインは人が抱える闇を解きほぐしていきます。 情景描写がえげつなく、脳を直撃します。登場する料理は温度や香り、食感までもが五感に訴えてきます。 後宮の華やかさも、崩壊寸前の村のむごたらしさも、空気として感じられます。細かな描写と選ばれた言葉の妙、作者様の表現力に、そしてその裏付けとなる知識の深さに感服です。取説的文章でないのが凄いです。 医食同源、体に良いものは舌に美味しい、体が欲しているんだから。←納得。 是非御一読を。ハマりますよ。 7/27追記 刊行おめでとうございます!早速購入、読ませて頂きました! やっぱり手にとって、1ページ1ページめくりながら読むと、感じ方もひとしおです。より空気感が倍増します。