レビューした作品一覧全937件
 公爵令嬢フィオーナは、侍女や両親も持て余してしまうほどの一風変わったアクティブな女の子だった。  7歳の時、魚釣りをしている彼女に声をかけてくれたのは、第二王子エリオス。  彼はフィオーナの奇行を全て受け入れ、常に優しく接してくれるのである。  そんな彼とずっと一緒に居たいと思い、10歳の時に王宮で行儀見習いとして仕えることになって……。  とにかく2人のやり取りが可愛くて尊いです。  元気で明るいフィオーナと彼女を最初から最後まで優しく丁寧に包み込むエリオスのコンビが、この穏やかで心地の良い雰囲気を作り出しているのでしょう。  ほのぼのとしたハッピーエンド作品であるため、最後までご安心してご覧いただけます。  是非この尊い2人を一緒に見守ってくださいね。
ジューンブライドに起こる奇跡
投稿日:2025年6月3日
 お互いの親がジューンブライドに結婚式を挙げて欲しいとの要望で、6月に結婚式を挙げることになった舞の結婚式だが、残念ながら結婚式当日は雨になるようで気分が沈んでいた。  先月亡くなってしまった母のためにも晴れて欲しいのに……。  日本における6月は第5の季節とも呼ばれる梅雨のシーズンであり、ジューンブラウンと縁起が良くてもどうしても雨になりがちです。  やはり晴れ舞台は晴れて欲しいものですよね。  しかし、私達の力では晴れにすることは出来ずにただ晴れることを祈るしかありません。  そんな中で起こる素敵な奇跡に心が温まるのがこの作品です。  心が沈んでいる人にもオススメの物語。  2000文字弱で見れることが出来る素敵な奇跡に是非立ち会ってくださいね。
レビュー作品 遠い空から
作品情報
 17歳の桜子は、親同士が決めた約束で、一回り年上の稜樹と結婚することになった。  彼は彼女が幼い頃からずっと焦がれてきた初恋相手であるが、眉目秀麗・智勇兼備・貴顕紳士であり、釣り合うことがないと思っていたため、彼に相応しい女性になろうと、努力するのだが……。  彼へ一心に尽くそうと、一生懸命に頑張ろうとしている桜子の姿が可愛すぎました。  そんな中で、様々な葛藤を抱えている彼女に寄り添う稜樹も格好良くて、本当に2人が尊いのです。  流れるような綺麗な文章であり、展開も王道のハッピーエンドで、スラスラと最後まで読むことが出来ます。  ロリーポップみたいな甘い初恋を叶えた2人の様子を是非一緒に見守りませんか?
 私達はあらゆる場面で勝負をすることがあると思いますが、その勝敗というのは、それもその時で異なりまして、時には勝つことなんてほぼ無理だろうという場面にも立ち会うこともあるでしょう。  もしほぼ負けると確定していのであれば、勝負を予めしないと放棄すれば惨めな思いもしなくて済みます。  ただ敗色濃厚にも関わらず、戦うこともあるのは何故なのか?  それは勝ち負けよりももっと大切なことがあるからです。  勝負をしたくても、その負ける怖さから勝負するのが怖くて一歩前に進めない人はいらっしゃいますか?  きっとこの詩を読めば、その気持ちも払拭するのではないかと思います。  とてもストレートで胸の奥まで響く素敵な詩なので、是非今1度ご覧ください。
レビュー作品 敗色濃厚
作品情報
 人は常に何らかの感情を持ち続けているものですが、それは時には嬉しいものであり、時には悲しいものであります。  本当に極端な時は、何もかも滅んでしまえば良いと思う時もあるかもしれません。  でもそのように感じてしまっても誰も干渉は出来ないですし、そう感じたことに偽りはありません。  確かに誰かと共有してその気持ちを無くせば楽になれるかもしれませんが、それを1人で抱えて自分のものとして存在を認めれば苦しくてもきっと意義があるものになると思います。  複雑な感情が書かれた奥深い素敵な詩なので、是非今1度ご覧ください。
 タイトルはとてもシンプルで、また文字数もたったの610文字と、形態を見ると大変スッキリした作品です。  しかし、その内容は本当に衝撃的でありまして、誰がこんな展開を予想出来たのだろうかと、もし予想出来た人がいらっしゃたのであれば、是非とも何故予想出来たのか話をお伺いしたいところであります。  もう兎に角これは見てくれた方が早いです。  だから今すぐにご覧になりましょう。  タイトルから怯えないで、手に取ってみてください。  間違いなく読んで良かったと思える作品であることを保証致します。
レビュー作品 紅い心霊写真
作品情報
9歳差の年の差カップルが尊い
投稿日:2025年5月29日
 公爵令嬢のアンナは、公爵令息のクレマンと婚約しているのだが、彼は病弱の幼馴染である伯爵令嬢のリサに恋をしており、自分は全然大切にしてもらうことが出来なかったため、2人の仲は冷めていた。  そのため、本当に異性の病気で弱っている姿は甘美に映るのか確かめたくなり、病弱な第三王子殿下のサミュエルのお世話係に立候補して……。  本作品は、同じタイトルである短編から連載版として書かれた作品になります。  短編でも綺麗に収まり楽しく読むことは出来ますが、長編版であるこちらは、アンナとサミュエルの可愛らしいやり取りを更に多く読むことが出来たり、またその裏事情が分かったりと、約10文字ほど加筆されており、しっかりと楽しむことが出来ます。  是非とも尊い9歳差カップルの奇跡をご堪能くださいね。
 ガトー殿下は、氷の令嬢と呼ばれる婚約者のイアリス・クームを狂おしきほど愛している。  そのため、彼女の心が分からないと悩む彼だが、従者はそのことに呆れており、もっと重要な問題に目を向けて欲しいと思っていた。  それは、2人の優秀な従者がブッシュ男爵令嬢に籠絡され失脚した事件が続いたことだ。  しかし、殿下は婚約者の気を引くために、ブッシュ令嬢と浮気をしようと斜め上の考えに従者は唖然するばかりだった。  婚約者のことを考えすぎて、全ての頭のネジが吹っ飛んだのではないかと思わされるほどの主人に仕えると、支える従者も大変なことになりますね。  そんな気苦労絶えない従者を放っておいて、暴走するところが大変コミカルで盛大に楽しめる物語でした。  そして、登場人物が全員スイーツの名前であるように、大変甘い作品です。  猛烈に甘さが欲しい方は是非今1度ご覧ください。
 この作品は、離別してしまったかつての恋人に対しての電子の海に流したボトルレターとして書かれております。  かつての恋人と過ごした大学時代は、ありふれたもので、期間もとても短いものでしたが、その交流や別れを通じて知ることになった悲しい運命と日常の尊さを学ぶことになるのです。  物語はフィクションですが、作者の死別した友人と重ね合わせて作られたものなので、本当に臨場感があって読むと本当に胸がギュッと締め付けられて、そして胸が熱くなるのを感じました。  大切な人と過ごす時間の有難みを、この作品を通して改めて一緒に感じてみませんか?
 継母と義姉に虐げられたエラの前に現れたのは、美しい魔法使い。  彼から将来は王妃になると告げられるが、彼女は魔法使いに一目惚れをし、その場でプロポーズをしたのだ。  しかし、彼は王子様の運命の相手だからとその頼みは聞いてくれることなく、あくまでも自分の務めを果たそうとする。  それでも諦めることが出来ない彼女は、性懲りもなく彼にアタックし続けるのだが、とうとう舞踏会に参加することになってしまい……。  このシンデレラはお淑やかで順応な子ではなく、とても積極的で逞しいヒロインです。  そんな一途に思い決して意思を曲げようとしない頑張り屋のヒロインを応援したくなる素敵な物語でした。  書籍やコミカライズでも大人気作品である柚子れもん先生の代表作の1つである「シンデレラの姉ですが、不本意ながら王子と結婚することになりました」の妹側のお話を是非ご堪能ください。
小さいな出逢いは奇跡を起こす
投稿日:2025年5月25日
 人間たちの様子をみていた星が、花火の音に驚いて流れ星として落ちてしまう。  実をいうと星は予定よりも早く落ちてしまい、これではみんなが花火に夢中で、誰にも自分を見てもらえないと嘆いてしまったのだ。  そんな中で、1人の男の子が気がついて……。  お星さまの視点から始まるこの童話では、とある小さな出逢いを書かれているのですが、その出逢いが奇跡を起こします。  心が通った瞬間ところにはホッコリと幸せな気持ちになることが出来るのではないのでしょうか?  私達にもこのような出逢いがあると信じたくなる素敵な物語なので、是非今1度ご覧ください。
レビュー作品 花火と流れ星
作品情報
 乙女ゲーム大好きな玲香は、乙女ゲームの世界に転生してしまう。  そこで転生したのが、王子の婚約者であるエヴァレインだった。  この立場は、ヒロインが王子ルートを選べば、悪役令嬢として最悪のルートを辿ることになるのだが、残念ながらヒロインは王子ルートを選んでしまった。  そのため罰として鉱山に連れて行かれそうになるが、その隣には玲香の推しである騎士団長ロカがいる。  このままだと最悪なルートを辿るだけであるため、彼女はある賭けをすることにした。    ここまで来たらもうどうしようもないと完全に絶望すると思いますが、彼女は思い切って話すことで何とか回避を試みようと奮闘する姿は魅力的です。  そんな真摯な想いを伝えたら彼女だからこそ、迎える幸せなハッピーエンド。  衝撃的な事実に目を見張ることになる、テンポも良い読みやすい素敵な作品なので、是非今1度ご覧ください。
 ロジェリオと政略結婚したピアに待ち受けたのは、夫の不貞・義母の突撃・愛人が邸宅に住むという悲しい実情。  そのため、彼と家から抜け出し、離婚成立させるため奔走する中で、戦の英雄である騎士団長ファルクと出会う。  離婚成立後、彼に誘われて彼の領地で快適に過ごすのだが、元夫から復縁要請の手紙が届き……。  ロミオメールとは、甘ったるい言葉で復縁を迫るメールのこと。  異世界恋愛なので、メールではなく手紙ですが、本作でもその手紙の内容が恐怖に感じさせる紛うことなきロミオ手紙で、それが最初から出てくるので興味を惹きつけられました。  また夫から逃げて離婚成立させるため奮闘し、ロミオ手紙に恐怖を感じなからも立ち向かうとするピアの勇敢さに格好良さと、そんな彼女の良さを受け入れて彼女をしっかり守るファルクの格好良さにもやられてしまいます。  胸キュンとスカッとを共に楽しめる素敵な作品をご覧あれ!!
かの有名な絵本をモチーフとしたラブストーリー
投稿日:2025年5月22日 改稿日:2025年5月22日
 メイジーは社交的である性格だが、これから婚約するガブリエルは正反対の一匹狼であり、彼と関わるとまるで自分が子ヤギのように萎縮してしまうため、憂鬱であった。  そんなある日の夜、嵐に巻きこれたメイジーは、避難先の小屋で1人の青年と鉢合わせしたのだ。  顔も名前もない中で、仲を深めていく2人だけど……。  タイトルや名前から分かる通りで、かの有名な絵本「あらしとよるに」をモチーフとしたこちらの作品は、まるで異世界恋愛にアレンジされた物語だと言えるでしょう。  混じり合ってはいけない2人が下す決断とそこで待ち受ける展開には、ドキドキハラハラもしますが、やはり最後はハッピーエンドだと分かっているので安心して読むことが出来ます。  優しくてホッコリする素敵な物語なので、是非今1度ご覧ください。
 皆様は浄瑠璃作者である紀海音という方をご存知でしょうか?  実を言うと私は存じ上げておりませんでした。  この作品は史実に基づいた歴史小説でございまして、浄瑠璃作者と言えばこの人と言うのではないかと思うほど有名な近松門左衛門とは、本当のライバル関係にあったようです。  ここでは、近松門左衛門が浄瑠璃作者としてはトップであり、そしてその2番目が紀海音とのこと。  2番目でも本当に凄いことではありますが、やはり上がいるという立場ですと、歯がゆくて悔しい気持ちで埋め尽くされてしまうのでしょう。  そんなトップである近松門左衛門に勝とうとして頑張った紀海音でしたが、ある日突如悲しい出来事が訪れてしまいます。  そんな時に彼が思ったことは一体何だったのか?  歴史がよく分かり、そして1位と2位の違いもよく分かる一石二鳥の作品です。  心の奥まで沁み渡る素敵な物語を是非自身の目でご堪能ください。
 なんと自転車のサドル以外が盗まれたというとんでない設定から始まる、最初から笑いをしっかりと掴んでくる漫才。  その後の展開では、自転車の部品ごとで、それぞれの親戚のおじさん達に買ってもらったという話に移りますが、そもそも自転車の部品ごとで買ってもらうことが可能なんかいと大きなツッコミが入ります。  そして次々に明かされる衝撃的な展開に、もう笑いコケてしまうに違いありません。  さらっと読める楽しい作品なので、是非今すぐにご覧ください。
 彼氏が浮気で、失恋し不眠症に陥った女騎士ミリセント。  ある日、彼女はお気に入りの毛布に似た大型犬を見かけ、偶然隠れ家的酒場を発見する。  最初はわんこに会うためその酒場に通っていたが、わんこには出会うことはない。  その一方で話の合う店長と仲良くなっていく。  そんなある日彼女は一緒に店長と寮に帰っていた時、元カレから復縁を求められる。  きっぱりと断るものの、引き下がらないため元カレを成敗することに。  店長を巻き込まずに成敗出来たことで、一気に安堵した彼女は思わぬ発言をしてしまって……。  どのような結果になるのかは、タイトルを見たら分かると思い思いますが、この作品は読者が予想だにしない展開が待ち構えていて、面白さを感じます。  真っ直ぐで思い込みの激しいヒロインと、わんこ系と見せかけて用意周到で腹黒なヒーローの恋物語です。  ハッピーエンドが大好きな方は是非今1度ご覧ください。
 シューベル男爵に引き取られたソフィーネは、奴隷のように扱われていたため、身なりも汚く肌もカサカサな彼女を多くの令嬢が「ブスキモ令嬢」と蔑まれてしまう。  ある日義妹の策略で強姦されそうになり、逃げた先は大きな川であり、ついに川に身を投げようと決意する。  しかし、川に飛び込もうとした瞬間、美少年に助けられて……。  この後の展開はタイトルにある通り。  まさにドアマットヒロイン物語がこの後展開されます。  大変綺麗に纏められた王道物語ですが、ただ守られるだけでなく彼女が成長していくのも、本作の魅力の1つです。  徹底的に虐げられたヒロインのシンデレラストーリーを是非ご堪能ください。
隠し隠された衝撃的な真実
投稿日:2025年5月17日
 夫を癌で亡くした妻は、夫の日記を見つける。  そして、そこに書かれた内容は衝撃的なものだったのだ。  最初の展開としては夫の温かな愛が感じられるのですが、徐々に明かされる衝撃的な事実により、少しずつ悍ましい感情が湧き上がってきます。  そして、それに留まるだけでなく、最後に明かされる更なる衝撃的な真実で、一気に恐ろしさに叩きつけられ、感情が自然とマイナスになると、入り方や展開がとても上手であり、この世界観に浸ってしまいました。  本当の 「この秘密は墓まで持っていく」ということは一体どういうことなのか、是非自身の目でご確認ください。
 メリーさんの電話さんと言えば、「わたしメリーさん。今〇〇にいるの」という電話が掛かってきて、電話が掛かってくる度にその場所が段々と近づいて、最後は「今あなたの後ろにいるの」と余韻を残して終わる都市伝説ですよね。  そんなメリーさんの電話を元にした作品になるため、電話の掛かり方や言葉の文言は同じです。  しかし、都市伝説では本人が自らの意思で人形を捨てますが、本作では不幸な事故で恋人を失ってしまうと、状況が大きく異なります。  この悲しい状況から生まれた怖くてそして切ないメリーさんの電話がここにあるのです。  たった1212文字と短い文章で綺麗に纏まった素晴らしい作品を是非今一度ご覧ください。