こういう小説やなろう系で『主人公ご都合主義』であることは非常に多いと思いますがそんなことありません。でもだからこそ信じられないくらい感情移入できます。
小説の主人公になるからには、多少は他人より秀でた部分が無いとお話にならないと思います。主人公ルーデウスもきちんと人よりも秀でている部分はありました。しかしヒーローのように最強ではなく、試行錯誤しながら力の奔流に惑わされながら「泥」のように生きていく一人の男の物語です。
そんな主人公の死まできちんと描く作品はあまり聞きません。
結末は涙なしには読めませんでした。最期まで家族を愛し、愛されてきたのがよく分かります。自分自身が1回看取られたことが無いと書けないような描写に「作者さんこそ人生2回目なのでは?」と思わされました。
そのルーデウスの死に様であり生き様を、是非読んでいただきたいです。
今では私が最も好きな作品となりました。