ドイツ風文化の剣と魔法の王国に転生した主人公。
第二王子という身分や、適度に前世の知識を活かしたライフスタイルも然ることながら、個人的にオススメしたいのは緻密に練り上げられた世界観と主人公を取り巻く貴族社会の風景だ。
まず主人公の父は単純な国王ではなく、王爵位である。
そして主人公の周囲にいるキャラたちもその殆どが名のある貴族の出であり、細やかな作法や家の歴史などが物語に深みを与えている。
さらに群像劇の一面もあり、主人公以外のキャラによる視点によって物語を多角的に描いている点も見逃せない魅力の一つだ。
全体的なテンポも良く、かといって描写も薄すぎず厚すぎず、キャラの個性もきちんとブレずに描かれている点はお見事の一言。
一度読み始めれば時の流れを忘れてしまうだろう。
是非ご一読をオススメ致します。