レビューした作品一覧全6件
代理戦争のルールが詳細。 練り込まれた物語の土台がとてもリアルに感じられます。 主人公・幸裂仰生の登場パートでは、祈りや呪いにまつわる民間伝承的な雰囲気が丁寧に演出され、別離の悲しみが胸に突き刺さる。 ハードなテーマにも関わらず、文章のテンポと情感表現が絶妙で、この先が気になります。 この世界のどこかで、ひそかに繰り広げられている異能者たちの代理戦争、なんだかゾクゾクしませんか? どうぞご覧あれ……!
運命の歯車が見えるヒロインと、美形だけどちょっと残念な公爵令息との出会い。 クスッと笑ってキュンとして、時々グサッとくる物語でした。 軽いラブコメかと思いきや、少しずつ運命や自由意志に踏み込んでいく展開が良かったです。 ヒロインの芯の強さとヘンリーのギャップがよくて、セリフの応酬もテンポよく心地いいです。 これ、ただの恋愛ものじゃありません!おすすめです!
姉ベルタの視点に立って読むと、痛快でちょっと毒のあるガールズ・リベンジコメディとしてスカッとしますね。 ヴィオレッタの強烈な「欲しがり」ぶりには笑いながらも、「いるいる…!ていうか私じゃん!」ってなったり…とほほ。 センスと戦略が光姉の逆襲が最高で、でも最後には「妹の本当の欲しがりとは?」と心えぐる冷静な分析が入るあたりが、ただのギャグで終わらす気のない作者さまの技術に、おおっ、ってなりました。 アズール君との関係も地味にしっかり育っていて、安心感でグッときました。 妹に悩まされる女性読者ならきっと「ベルタ推せる……!」ってなると思います! ぜひご一読を!
夢と現実が交錯するような冒頭の悪夢パートに、クラクラしました。 そこでグッと惹きつけられ、祓魔師・犬塚と新人・真白のバディ関係を通して、トラウマと正義のありかたが語られていくのでしょうか。 犬塚の荒々しさ、真白のまっすぐさ。バディ関係の熱量も抜群。 魔障社会の構築も緻密で、神学SFとダークファンタジーを融合させたような世界観に痺れます。 なんていうか、まるで……映画のような臨場感。 これは必見です。
前世でぶさかわを極め、今世では絶世の美少女となったコラヴィアが、圧倒的なテンションとユーモアで読者を引きこむよ! なんかすごく衣装描写のディティールがすごくって、頭の中には魔夜峰央先生の絵で再生されました。すごく良かったです。 ギャグと心理描写、衣装や比喩のセンスが抜群。 「美とは何か?」を描きながら、読みやすく、政治や貴族制度の描写もリアルで、設定の厚みが単なるコメディに終わってないのがすごかった。
舞台は異星ランドアースにある〝トキオシティ〟 主人公のオダジマは、エルフのセコンド・レイチェルとタッグを組むボクサー。 競技はセコンドのエルフが回復魔法で選手の体力をサポートしながら戦う異世界格闘技。 物語は、オダジマがイノウエ王者への挑戦権を賭けて、若き無敗のホープ・チャチャイとの試合に臨む、壮絶な5ラウンドを追って進む…… ボクシング+異世界+美人エルフのセコンド+ゲーム的HP/MP+魔法=最高のエンタメ構成。 これまでになかったし、これからもおそらくこの作者様にしか書けない世界なんじゃないかな。 デュマレスト・サーガの闘技場シーンでワクワクしたワシなので、このテイストは一目で〝ぜったい面白いやつだ!〟ってなりましたが、読み終えて、このオダジマの背景にある物語──家庭持ちだったオダジマについても、ぐっと深掘りして読んでみたいなって思いました。 おすすめです!