レビューした作品一覧全6件
お勧めの魔法少女モノですよ
投稿日:2017年10月21日
人を襲う『魔獣』という謎の存在と戦う魔法少女。 主人公はその魔法少女になってしまった『少年』です。 魔法少女モノのお約束を多く取りそろえた本作品、シリアスとギャグ、そしてほのぼの展開や微エロなど様々な要素が絶妙なバランスで組み合わさっています。 一見すると設定などは既存の魔法少女・変身少女モノのオマージュを思わせるものも多いですが、その分だけ安定してストーリーに絡んでいるかと。 現段階ではまだ話数は少なめですが、最初のライバルとの決戦後に一気に広がっていくストーリーなど、読んでいてワクワクしてしまう造りになっています。 ただ悲劇なだけとか、ただギャグなだけとかでなく、物語として緩急がついていて、きちんと一つのストーリーになっている。 そういう作品をお探しの方にはお勧めできます。 どうぞよい魔法少女ライフを。
変わった風体の二人が訪れたある街で、凄惨な殺人事件が起きていた。 殺人現場で『灰色の犬』を見たのだという宿屋の娘の言葉を頼りに、寡黙ながら正義漢の隻眼剣士『雨』と、飄々としながらも人格の破綻した魔法使い『雷』のコンビが、それぞれ街や遺跡で調査に取り掛かるが……? 事件はどんどん深刻な事態になり、登場人物たちは当初とは異なる展開に翻弄されることとなる。 ここまで書くと推理物のようだが、途中からはがらりと雰囲気が変わり、バトルモノのそれに。 魔法使いがかなり癖があるのでそこがストレス要因になるかもしれませんが、後半になるとそんな部分ですら彼の「らしさ」のように感じられるようになります。 テンポのいい掛け合いと、謎と含みのある主役二人の過去、そして想像をいい意味で裏切る展開の数々は、そういったものが好きな方にはたまらない逸品となるでしょう。 お勧めの作品です。 どうぞお楽しみあれ。
 この話は、『ワールズ・エンド』と言われるバーチャル体感型ゲームを中心とした物語。 ゲーム世界に転移する事によって、そのファンタジー世界を体感できるという触れ込みのゲームであり、そして主人公『真央(マオ)』は、偶然そのゲーム世界において希少な『魔王』になれる権利を獲得する。  マオは魔王になる事を承諾し、ゲーム世界に転移するのだが……案内役兼監視役として同行する少女『舞雨(マウ)』と共に、予想外の出来事に巻き込まれてしまう事になる。  この予想外、最初こそ「ありがちだなあ」と感じるものの、すぐに「そんなことはなかった」と考えを改める事となる。 さながらイベント戦闘のようなゲーム内の出来事に驚かされる。 甘くはない世界。 ゲーム世界の中の、もう一つの現実のようなものを感じさせてくれる一品です。 可愛い子も勇ましい人も居ます。どうぞお楽しみあれ。
時代劇風の世界観、プラスちょっと胡散臭さ。 実力は確かながら自称とれじゃーはんたーを名乗るちょっと胡散臭い主人公『風太郎』と、宝物を探す力を持つというちょっと胡散臭い巫女『立花』を中心に話は廻っていきます。 いわゆる諸国漫遊的な物語ですが、事の発端ともなる征夷大将軍『ピエール』や姫君『ルナ』など、一癖も二癖もある人物達が魅力的。 誰一人無駄な人物はいません。皆曲者食わせ者揃いです。 そんな彼らが事あるごとに絡んでくるのだから、お話も全体的に胡散臭いかもしれませんね? どうぞ愉しい永世江戸へ。
資源を掘る為に宇宙へ……という、未来的な事業が仕事として成り立つ世界。 主人公の青年ヒロシは非正規の作業員として作業用のマシン『ゴーレム』を使用して作業に従事する訳だが、そこは宇宙。 隕石の雨が降り注ぎ、船体に穴が空けば真空へと放り出される恐怖が待っている。 ヒロシは優れた操作技術を持っていて、上司である『課長』セリーヌを窮地から救い出した。 ここから彼の人生は少し違う分岐点を歩む事になる。 そのままならばバッドエンド確定だった道が、少しだけ変わったのだ。 物語はジェットコースターのように進む。 実に早く、過激に。 物語開始の時点では終着点がどうなっているかは全く予想が付かないはずだ。 文章や物語の運びこそは稚拙だが、話そのものは綺麗にまとまっていると思う。 パロネタとメタネタはちょっと人を選ぶかもしれないが、そこは愛嬌である。
自分の生きた世界に価値を見出せなかった主人公は、ある時『神様』への願いにより、生きた世界を犠牲にする事で自分が望んだ『異世界』への転生を望んだ。 結果として彼は見知らぬダンジョンに立っていたのだが…… 何故か、一人で大暴れできる最強系主人公になるつもりが、ゲーム開始直後のような貧弱な状態になっていたのだ。 当然、強敵には勝てない。 一方的にボコボコにされてあわや、という所で探究者ギルド『ブラザーフッド』に助けられる事にな。 楽しげなギルド、個性的なメンバーたち、そして自分にだけ優しい美少女。 それらが本当にそのままの姿なのか。主人公『ルカ』は何も知らない。 最初から最後まで印象が一貫しているキャラは一人もいなかった。 どこで覆され、どこで見方が変わるのか。それを読む楽しみにできればとお勧めしたい。