この作品の魅力は、何より丁寧な心理描写です。
特に秀逸なのがTSしたことによる親友や家族との距離感の変化や絆の確認、新しい人間関係の構築が主人公の日向ちゃんのトラウマの克服と非常に強く結びついている点で、作品の軸に一本芯が通っており、かつそれがキャラクターの魅力を掘り下げています。
そうした丁寧さはTSもので軽視されがちなバックボーンの深刻さや家族の反応といった点についても同様で、それ故に描写にはややエグいところもあるものの、むしろ心理の掘り下げへの貢献に繋がっています。
ロリやTS、ジュブナイル、MMOでの交流、友情と恋愛の狭間で揺れ動く心理、そういった要素のどれか一つにでも惹かれたなら、是非ともご一読してみてください。
全ての要素がまさしくツボだった自分にとっては、出会えて本当に良かった作品でした。