生まれた時には既に一族の「宿命」があった。それは「世界を救う」ということ。
その為にその娘の母も今は消えてしまっているという現実、それはこの先、その娘にも背負わされると本人は気付き始めていた。
そして、世界を救うという、その「宿命」に捕えられるところで現れたのが盗賊の男だった。しかしこの男。実に無愛想なやつで、クールというより冷たいやつだった。
だが、これが娘の世界を大きく変える、「運命」だったら。その先どうなっていくのか、気になるはずだ。
娘は家から飛び出したこともないぐらいに物を知らず、夜の街をイメージできないほどの生活すら強いられていた。その枷をぶち壊した盗賊の男をその娘は追っていくのだ。
その心境や感情を実に上手く記す作者は素晴らしいものだといえるはずだ。
運命を変えた男と宿命に翻弄される娘の苦くも甘い物語は、更に先へと進んでいく。是非とも、その物語を読んでほしい。