とある事件ののち、感情と引き替えに最強の力を手に入れた王女エミリ。
彼女はその力をもって魔王を破することを決意する。
誰にも理解されぬまま冒険者として生きることを選んだエミリの旅は孤独に始まり、孤独に終わる――はずだった。
けれども旅の間に訪れる様々な出逢いや経験が少しずつ彼女を変えていく。
この作品はそんなエミリの冒険と成長を綴った物語。
主人公のエミリが感情を失っているために文章は淡々としていますが、読み進めていくとその中に少しずつ変化が見えてきます。
その変化の一つ一つに説得力があり、気づくと引き込まれているのがこの作品の魅力。
一見硬派に見える世界観もステータスやアビリティといったゲーム的な要素を取り入れることで単純かつ取っつきやすくなっています。
そして時折不意討ちのごとく挿入されるコメディ回もまた必見。
これから始まる第二章が待ち遠しい、期待の一作です。
