レビューした作品一覧全6件
シャーマンキングという漫画中、氷を扱うキャラクターが「冷たさは本物の熱さに変わる」と言うシーンがあります。最初はそれ系主人公のファンタジーなのかなと思いつつ読み進めてました。数話読んだ後の感想が下になります。 「余りにも熱すぎて、逆に冷たく見えるやつだ」これ。 インスタントに爽快感を楽しむざまぁ系チートモノではないです。主人公は有能冒険者ですが、サイコパス(疑惑)で人間関係苦手だし、しがらみにも縛られるし、救いのない話もいっぱいあります。多分振り回されながらこれからもいっぱい苦労するのでしょう。でも鬱ってはない、サイコパス(疑惑)だから また作者さん独自の世界観、キャラクターの個性は既に確立しつつある、と言ってもいいかなと思います。単純に世界の構成力が高いというか、リアリティが高い。登場人物がイキイキとしてる。今後の展開にも期待してます。
高いコーヒーのブラック濃いめ
投稿日:2021年9月5日
ほんとに美味しいコーヒーは、豊かな香りで惹きつけ、複雑な舌触りと、苦い後味とで楽しませてくれると聞いたことがあります。 人を惹きつける魅力を持った不思議、ひとすくいの幸せと、ガツンとやられる苦い後味。 貴方を物思いに耽らせてくれる、極上の一杯のコーヒーのような文章です。読後感も含めてオススメの作品です。
パッと開いて1話の序盤見た時は、「おーこれ勘違いされた悪役令嬢をスパッと助けるやつだ!」と予想しました。数話読んだ所の自己採点は30点。最初しか合ってない、なんならその部分作者が書いたとこ。どう外したかは本文読んでみてください。そしてハマってどうぞ。 オススメポイントは世界観と人物の作り込みですね。登場人物の切り替わり場面でも、しっかり各々キャラが独自の性格と記憶と長所と短所を持っている。故にすれ違いが起こるけど、あーそうなるよねー…って感じ。男性でも割と読みやすいかと。 2/21現在までのメイン登場人物はみーんな不器用。不器用だけど、それぞれ自分の大切な事はなんとかしようと必死に頑張ってる。もちろん悪いやつも居るから善意と悪意が絡まって、不器用と謎が深まっていく感じ。読み応えある小説見つけたって感じです。こういう文章に出会うから、なろうはやめられない。
この武将の運命知ってる?現代知識も歴史上の出来事も知ってる?じゃあこの武将に転生して、領地0家臣0幼馴染も地獄身内の殆ど粛清済スタートでもいいよねーー! これがあらすじです。あらすじだけです。しかもこれ以降も縛り内容は順次追加です。失敗したら即死亡フラグ。理不尽の極み。綱渡りどころか常に首に綱かかってます。 ではそんな状況からどうやって主人公はどうやって生き延びるのか? 内容としては、戦国時代への架空転生戦記。丁寧な地理・時代描写は他のなろうモノと比べても抜き出てます。しかしこの小説を傑作足らしめているモノを上げるなら「人間の欲深さ」と「恐怖」。終始これは徹底して描かれており、それがこの小説になんとも言えない奥深さ・重厚感を生み出しています。 是非読んでみてください。歴史モノ、特に知略・戦争系にハマる人には終生のバイブルとなり得る作品です。
出だしはよくある異世界転生もの…しかしまさかの事態にチートはほぼ活用できず。しかも行動に色々と制限がかかる。正直ソシャゲのリセマラだったら、「諦めて次行きましょ」レベル。しかしそこから主人公はなんとかあの手この手で凌ぎます。そこの対応力の高さ・引き出しの多さがこの小説の最大の魅力の1つでしょう。 また仲間の奴隷もみんな訳ありです。奴隷絡みのトラブル・しがらみも多いですし、なかなか簡単にバッサリ解決できません。それでもこの主人公は仲間達と誠実に向き合います。 特に非常にリアリティ溢れる冒険譚としての緻密さ・計算された伏線の張り方。そして仲間や他陣営の人間心理の細かさ。これらはなろうの中でも傑出しているものがある!と声を大にして言えます。 主人公があの手この手で頑張る異世界転生ものを読んでみたい。そんなあなたにオススメします
いやー面白かった
投稿日:2018年10月29日
題名で食わず嫌いしてたけど本当におもしろかった。読み始めてちょっとした頃には、実はこのタイトル如何に涙と苦しみが込められているかがわかります…。 いわゆる流行の強くてニューゲーム型ではありません。登場キャラはみんな普通の人間らしく心揺れ、思い悩みます。完璧なキャラも、全て見通す能力を持つ存在もいません。しかしコメディの陰に隠れるシリアス、そしてここぞと言う時にはみんな強く前を向く、そして幸せに向かおうとする。みんな不完全だからこそ、手を取り合って前に進む。その姿に読後の爽快感はとても良かった、と書き込ませていただきます。 普通の日常の大切さを教えてくれる作品です、ちょっと変わった作品が好き・主人公無双型に食傷気味・エルフ好きのあなたにどうぞ。