まず、主人公であるカミラとその相手、アロイス。
この二人のままならなさに悶えます。
頑張れと、負けるなとエールを送りたくなるのです。
二人とも周囲の噂というものに翻弄、あるいは岩削る滝のようにさらされています。
大衆という立場に立った時、人はちょっとした行動で「アレは悪い人間だ」とそれはそれは無責任に決めつける。
でもそれは遠い人間に対するもの。
近しい人には思っても簡単に声には出せない。
人間関係というものがある以上は。
だが、それを意図的に歪められたら?
正義感だとか善意を盲目的に信じた人間が噂で牙を剥く。
その牙にさらされた主人公が、これまた悪評にされるがままにされてきた男と出会うのです。
この話はタイトルの通り「悪役」を「押し付けられている」女の子のお話です。
我は強くて不器用だけど、曲がらない。
もしその在り方が気に入ってしまったら、応援せずにはいられませんよ?