レビューした作品一覧全2件
主人公ウォルムは、チート能力や恋愛展開を好む層とは一線を画し、ただ“生き残る兵士”として成長していく。その描写は「戦記よりも兵士譚」と呼ぶのが正しいだろう。 英雄譚ではなく、ただ生き延びる兵士の物語としての泥臭さ、仲間との死別の衝撃、戦略描写の深さが光る。 注意点として、主人公の物語は「窮地の連続」であるため同じような場面が展開は違えど続く。またAランクの上がSランクであったり、オルトロスやクラーケンと言った馴染み深い名称の日本ナイズドされた設定が散見されるため、そういった点が気になる人も注意されたし。 これは、“兵士”たちの物語。そんな作品が読みたい方はぜひ手に取って読んでほしい。後悔はさせない。
どこかで見たようなタイトルや設定など小説の魅力というものが何一つ見つけられない作品ではあるが、まだ三木なずな氏の他の作品と比べてしまうと読めてしまう内容。こうなってしまえば思考がウイルスによって歪められているため注意。 そして話の内容はずっとワンパターンで容易に次の展開が読めてしまい小学生でももう少し凝ったストーリーにできると読者に思わせてしまう手腕はまさに伝統芸能と言えよう。作者の発想と主人公の頭がイキリ中学生レベルなので手軽に虚無感を味わうには良いのかもしれない。それこそ童話を家族から読み聞かされるように、皆さんも子供がいるならぜひこの小説を読み聞かせたらいかがだろうか。すぐに子供は寝てしまうだろう。 「時間の浪費」と「虚無感」と「嫌悪感」を代償にして読める人にはオススメなのではないだろうか