レビューした作品一覧全1件
本作品はいわゆるループもので、主人公・シイナと護衛官・トウイの視点を交互して進むのが特徴です。 異世界に神獣の守護人として呼び出されたシイナがループする理由はただ一つ。最初のループで唯一親切にしてくれたトウイを死の運命から救い出し、「百日間トウイを生かす」という神獣との賭けに勝利すること。 ここまではループものとしては王道と言えますが、本作品の特徴は「本編=最新のループ回の一回」であるという点。 ループものはやり直しが効く分、ともすれば登場人物の命を(良くも悪くも)軽くしてしまちがちです。しかしリライトライト・ラストトライはそのループ要素を限定することでむしろ、生きるということの意味、価値を克明に描き出しています。 正直なところ私の語彙ではこの小説の魅力を表現しきれているとは思えません。私がそうだったように、レビューを読んでこの作品を読んでいただける人が一人でも増えれば嬉しいです。